2013.07/30 [Tue]
今月買った本読んだ本・7月
ごきげんよう


なんとな~くお天気悪い日が続いた@首都圏。
日本中あちこち酷い雨だったようですね。。。

恒例の、月末今月本。
『荒川アンダー ザ ブリッジ』第12巻 中村光
先月13巻を買って読んでから、もしかしてその前を読んでない。。。
ってのに気がついた間抜けでございます。
長期連載のコミックスをリアルタイムで買うとありがち。
ビリーが表紙だったのね~

『プライベート フィクション』真梨幸子
これでこの人の本は全部揃った。
ワタシとしては久しぶりに追いかけた作家さん。どれが特出してるでもなく、全体に安定した作風も良かったです。
でも、かなり好きずきがあるから、誰にでもお勧めできないのが残念ですね。
あ、これはかなり軽い方です。

『喋々喃々』小川糸
べにお先生の「恒例キャスティングごっこ」の課題図書でした。
べにお先生&Ku-nyan様&kaorinnによるキャスティングは
こちらをご覧ください。
こちらもね。
東京谷中で、アンティーク着物のお店を経営する28歳女性の、1年間。季節と小道具、美味しいお酒と食事。
ワタシ自身はまずこういうタイプの本を買わないので(何しろ読後感が悪~い嫌ミスが好みですから。。。)こうして教えてもらうと新鮮です。舞台になる地域に土地勘があるので色々思い出したりして、読み始めたらイッキでした。
やっぱり着物の細かいところは、女性作家さんが描くのが良いですね。着物の生地の手触りや色、足元にまといつく感じまで蘇るようです。
『こはる日和』ろーずまりー(
こちら)
ときどきどうしようもなくツボにハマり、夜中にひとりで声出して笑ってるときあり。つくづく自分はほのぼの系じゃないな~と感じますわ。

さて、猫ブログ本を買うワタシも北朝鮮本を買うワタシも、自分の中ではスジが通ってるんですが。並べて紹介することないじゃん…とも思います。
でも、これ、久しぶりに良かったな。
『密閉国家に生きる』
バーバラ・デミック
「偉大なる指導者金正日同志」(イムデハンチドジャキムジョンイルトンジ)が、北朝鮮ウォッチャーの予想より早く死んでから、朝鮮半島北側国家関係の情報が減りましてね。。。3代目の国家運営は今のところ、表面的には順調(この場合の「順調」とは、「うまくいっている」という意味ではなく、「国家は崩壊もせずそのまま」という意味)ですが。。。建国から今に至るまでずっと、北朝鮮絡みの出版物で韓国のフィルターがかからないものはほとんどなかったので、このようにアメリカ人女性ジャーナリストによる独自の切り口の北朝鮮本はとてもありがたいのでした。
北朝鮮に入国を許された人間が、自由な行動などできないのは周知の事実です。でも見たまんまを報道する日本のジャーナリズムは阿呆ちゃうか。素人ならともかく。著者バーバラ・デミック氏は脱北者(北朝鮮から逃げた人)から取材するも特に清津市出身者に的を絞り、清津市出身者に限定したことで事実検証がお互いに容易になり、数人の男女のこれまでの生活が克明に描き出せました。この手のドキュメンタリーに、西洋人がどれほどじっくり腰を落ち着けて取材するか、文化的に羨ましいほどです。日本人の読書人口は世界でも類をみない数ですが、その分「なるべく早くスキャンダラスに」書く指向があるのは否めません。
さて、長年の北朝鮮ウォッチャーを自認するワタクシが集めた関連本はたくさんありますが、脱北者自身が書いた半生がどれだけ読めるかおもしろいかどうかは、やはり当たり前ですが、著者の文章能力に大きく左右されます。ちなみに、ジャーナリストが取材したものをメインに据えた本はあまりおもしろくありません。例・落合信彦とか辺真一とかですよ。内容はわかりやすさを目指してるのか平易ですが、あくまで入門編にしか過ぎません。内容は掘り下げが浅く陳腐、逆に著者の考えが入っているのがとても邪魔でウザく、著者の考えが入ってるおかげで年月が経つと情報が古くなった感が強くて読めません。こんなのは残念だと思います。
日本人(含むその他)の北朝鮮訪問記はまた別のおもしろさがありますので、それはのちの機会に。
ワタクシお勧め脱北者の体験本をちょこっとご紹介。
『北朝鮮脱出』上・下巻(文春文庫)
姜哲換&安赫(カン・チョルファン&アン・ヒョク)
政治犯収容所を生きて出所できた青年ふたりの脱北までの物語。姜哲換氏は帰国事業で北朝鮮に渡った在日朝鮮人3世(本人は北朝鮮生まれ)。訳者池田菊敏氏は翻訳者として信頼おける。文化の違いが著しいとき、翻訳者の力量は重要。
『帰国船』(文春文庫) 鄭箕海(チョン・ギヘ)
この著者も帰国事業で家族で北朝鮮に渡った在日。茨城県に生まれ暮らした高校時代までの生活と当時の朝鮮総連、北での生活を淡々と克明に語る。生まれ故郷と民族と国家の概念を考えさせられる。
『平壌25時』(徳間書店) 高英換(コ・ヨンファン)
北朝鮮では超エリート、金日成の通訳も勤めたことのあるフランス語圏外交官の記録。国家公務員のレベルはその国のレベルですよ。本当にお気の毒としか言えない。日本の国家公務員は日本にいるからマシなだけなんじゃないか。
『北朝鮮絶望収容所』(KKベストセラーズ)
安明哲(アン・ミョンチョル)
独裁区域(政治犯収容所)で働いていた警備兵の手記。収容されているのは政府(金王朝)にとって面倒で不都合な人々ですが、虐待虐殺っぷりが凄いです。グロいのが苦手な方にはお勧めできません。ただし、手記としてのその証言力は一級品。
これらはもう15年以上前の本なので、今はもっとヒドくなっているらしいですが、いずれにしろ日本人には想像を絶するので、どうせなら読み物として上等な方が宜しいかと存じます。
何度も言いますし、繰り返して言いますが、ワタクシは政治的主義主張などまったく持ち合わせておりませんのであしからず。
いつも読んでいただいてありがとうございます


https://fashion.blogmura.com/kimono/



なんとな~くお天気悪い日が続いた@首都圏。
日本中あちこち酷い雨だったようですね。。。

恒例の、月末今月本。
『荒川アンダー ザ ブリッジ』第12巻 中村光
先月13巻を買って読んでから、もしかしてその前を読んでない。。。

ってのに気がついた間抜けでございます。
長期連載のコミックスをリアルタイムで買うとありがち。
ビリーが表紙だったのね~


『プライベート フィクション』真梨幸子
これでこの人の本は全部揃った。
ワタシとしては久しぶりに追いかけた作家さん。どれが特出してるでもなく、全体に安定した作風も良かったです。
でも、かなり好きずきがあるから、誰にでもお勧めできないのが残念ですね。
あ、これはかなり軽い方です。

『喋々喃々』小川糸
べにお先生の「恒例キャスティングごっこ」の課題図書でした。
べにお先生&Ku-nyan様&kaorinnによるキャスティングは

こちらをご覧ください。

こちらもね。
東京谷中で、アンティーク着物のお店を経営する28歳女性の、1年間。季節と小道具、美味しいお酒と食事。
ワタシ自身はまずこういうタイプの本を買わないので(何しろ読後感が悪~い嫌ミスが好みですから。。。)こうして教えてもらうと新鮮です。舞台になる地域に土地勘があるので色々思い出したりして、読み始めたらイッキでした。
やっぱり着物の細かいところは、女性作家さんが描くのが良いですね。着物の生地の手触りや色、足元にまといつく感じまで蘇るようです。
『こはる日和』ろーずまりー(

こちら)
ときどきどうしようもなくツボにハマり、夜中にひとりで声出して笑ってるときあり。つくづく自分はほのぼの系じゃないな~と感じますわ。

さて、猫ブログ本を買うワタシも北朝鮮本を買うワタシも、自分の中ではスジが通ってるんですが。並べて紹介することないじゃん…とも思います。
でも、これ、久しぶりに良かったな。
『密閉国家に生きる』
バーバラ・デミック
「偉大なる指導者金正日同志」(イムデハンチドジャキムジョンイルトンジ)が、北朝鮮ウォッチャーの予想より早く死んでから、朝鮮半島北側国家関係の情報が減りましてね。。。3代目の国家運営は今のところ、表面的には順調(この場合の「順調」とは、「うまくいっている」という意味ではなく、「国家は崩壊もせずそのまま」という意味)ですが。。。建国から今に至るまでずっと、北朝鮮絡みの出版物で韓国のフィルターがかからないものはほとんどなかったので、このようにアメリカ人女性ジャーナリストによる独自の切り口の北朝鮮本はとてもありがたいのでした。
北朝鮮に入国を許された人間が、自由な行動などできないのは周知の事実です。でも見たまんまを報道する日本のジャーナリズムは阿呆ちゃうか。素人ならともかく。著者バーバラ・デミック氏は脱北者(北朝鮮から逃げた人)から取材するも特に清津市出身者に的を絞り、清津市出身者に限定したことで事実検証がお互いに容易になり、数人の男女のこれまでの生活が克明に描き出せました。この手のドキュメンタリーに、西洋人がどれほどじっくり腰を落ち着けて取材するか、文化的に羨ましいほどです。日本人の読書人口は世界でも類をみない数ですが、その分「なるべく早くスキャンダラスに」書く指向があるのは否めません。
さて、長年の北朝鮮ウォッチャーを自認するワタクシが集めた関連本はたくさんありますが、脱北者自身が書いた半生がどれだけ読めるかおもしろいかどうかは、やはり当たり前ですが、著者の文章能力に大きく左右されます。ちなみに、ジャーナリストが取材したものをメインに据えた本はあまりおもしろくありません。例・落合信彦とか辺真一とかですよ。内容はわかりやすさを目指してるのか平易ですが、あくまで入門編にしか過ぎません。内容は掘り下げが浅く陳腐、逆に著者の考えが入っているのがとても邪魔でウザく、著者の考えが入ってるおかげで年月が経つと情報が古くなった感が強くて読めません。こんなのは残念だと思います。
日本人(含むその他)の北朝鮮訪問記はまた別のおもしろさがありますので、それはのちの機会に。
ワタクシお勧め脱北者の体験本をちょこっとご紹介。
『北朝鮮脱出』上・下巻(文春文庫)
姜哲換&安赫(カン・チョルファン&アン・ヒョク)
政治犯収容所を生きて出所できた青年ふたりの脱北までの物語。姜哲換氏は帰国事業で北朝鮮に渡った在日朝鮮人3世(本人は北朝鮮生まれ)。訳者池田菊敏氏は翻訳者として信頼おける。文化の違いが著しいとき、翻訳者の力量は重要。
『帰国船』(文春文庫) 鄭箕海(チョン・ギヘ)
この著者も帰国事業で家族で北朝鮮に渡った在日。茨城県に生まれ暮らした高校時代までの生活と当時の朝鮮総連、北での生活を淡々と克明に語る。生まれ故郷と民族と国家の概念を考えさせられる。
『平壌25時』(徳間書店) 高英換(コ・ヨンファン)
北朝鮮では超エリート、金日成の通訳も勤めたことのあるフランス語圏外交官の記録。国家公務員のレベルはその国のレベルですよ。本当にお気の毒としか言えない。日本の国家公務員は日本にいるからマシなだけなんじゃないか。
『北朝鮮絶望収容所』(KKベストセラーズ)
安明哲(アン・ミョンチョル)
独裁区域(政治犯収容所)で働いていた警備兵の手記。収容されているのは政府(金王朝)にとって面倒で不都合な人々ですが、虐待虐殺っぷりが凄いです。グロいのが苦手な方にはお勧めできません。ただし、手記としてのその証言力は一級品。
これらはもう15年以上前の本なので、今はもっとヒドくなっているらしいですが、いずれにしろ日本人には想像を絶するので、どうせなら読み物として上等な方が宜しいかと存じます。
何度も言いますし、繰り返して言いますが、ワタクシは政治的主義主張などまったく持ち合わせておりませんのであしからず。
いつも読んでいただいてありがとうございます



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そう云えばあの頃は毎月っていっていいほど、脱北者の本が出てましたな。