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まおじゃらん

着物と猫と、ときどき絵画。

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数学教師の語った不思議な話


私が高校1年の時の担任は、数学の教師だった。
夏休み前の授業、期末テストも終わって、なんとなく開放感があった。
ちょうど今くらいの季節。。。
あの授業の日、先生は、
「とても昔の話なんだけど…」
もうすぐ夏休みだから新しい項目に進むのももったいないし、良ければ暇つぶしでもさせてくれないか。
といって語り始めた。。。



わたしはね、数学の教師だから、一応なんつうか科学つうかね、理屈に合わないことは信じないんだけど。
教師になりたての頃、不思議なことに出会ってね。。。お前らが産まれるより前の話だな。
いや、今でもよくわからない。
。。。その頃の修学旅行は、今みたいに新幹線がある訳じゃないから、夜行列車で行ったんだよ。
わたしは若かったから担任は持ってなくて、副担だったんだけど。
旅行を前にして、ある生徒の親が、学校に文句をつけてきたんだ。
今でも信じられないんだけど、その日、旅行に行く方角がとても悪いから、中止するか延期しろと。
そんなことできないんでさ、だって切符もそろってるし、宿もとってあるし。
そしたらその生徒の親は、危険だからうちの娘は欠席させるって言うんだよ。
修学旅行は、大切な旅行だったよ。
今みたいに自由に好きな所に行く余裕もないし、どの生徒も楽しみにしていた。
その生徒だって、行きたくてね、泣いてたよ。
娘にせがまれてしょうがなくなったんだろう、その生徒の親は、たくさんのお札を持って学校に来てね、これを生徒全部に持たせるように、と。どうやらおがみ屋さんだったみたいで、でも本業じゃなかったな。。。あ、これはあとで学籍簿を見たんだ。
いやいや、学校もね、そんな非科学的なことは誰も信じてないんで、どうしようか職員会議もしたんだけど、校長先生が、
「お守りくらいで、父兄が安心するなら、いいじゃないか」って決めてね。
じゃあどうせなら、きちんとやるかってんで。
夜行列車で行くから、列車の中では体操着なんだ。
それで、お守り札を、体操着の胸ポケットに名札みたいに縫い付けてもらうよう、通達してね。
今よりもっと迷信深い頃だから、案外、他の父兄からは文句が出なかったな。。。
ああ、お札は、もちろんわたしら引率の教師も全員着けたよ。
。。。列車に乗り込むと、生徒達ははしゃいでね、早く寝ろって言ってもいつまでもしゃべってて、寝ないんだよ。
何度も見回りに行ってね。
そしたら、生徒のひとりが、体操着を来てないのに気がついた。
ちょっと金持ちの家の娘で、修学旅行のために新しいブラウスを買ってもらったんだと。
見せびらかしてたな。昼間行動するときは制服だからね。
いいから寝ろって、ホント女の子はたくさん集まると、わたしみたいな新米の教師の言うことなんか聞きゃあしない。
その内、静かになって、やっと寝られるようになった。。。

夜中かな、悲鳴があがってね、びっくりして飛び起きたよ。
他の先生と一緒になって、生徒の車両に走った。
夜行列車は寝台だったんだけど、蚕棚みたいな狭いベッドに寝るのさ。
車両の、1カ所の電球が割れてて、一番上の寝台に寝てた生徒の背中に、ガラスの破片が突き刺さってた。
すぐに列車の車掌に連絡してね、次の大きな駅で、生徒を病院に入れたんだよ。
女の先生がひとり付き添ってね。
危なかったよ。
背中から、心臓に向かって、深く突き刺さってたんだ。。。
その生徒がね、ブラウス着てたんだよ。体操着じゃなかった、あの生徒だったんだ。
。。。なんかね、こういうの信じたくないんだよね。
ほら、わたしら数学教師だって科学者の一員さ。科学を信じてるからね。
でも、これは事実だったし、あのときのことは、忘れられないねぇ。。。


この話をしてくれた、担任の数学教師は、今はもう鬼籍にある。
私は、この話とともに、K先生を忘れられない。




いつも読んでいただいてありがとうございます


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Comment

No title 

…暗剣殺だったのかしら、方角。『暗闇で剣で刺されて殺される』って字の如く突発的事故に見舞われる可能性が高い方位らしいっす。
出発地点、向かう方角、日程全てががっちりハマったんでしょうな。
それにしても『世迷言を』で切り捨てず、その女子以外ちゃんとお守りを身に付けているのが凄いと思うが。
皆が守らなかったら脱線事故とかになってかなりの死傷者が出たんじゃねえか…怖いのう…
  • posted by あすか 
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  • 2012.07/15 02:31分 
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No title 

実はさ……。私は、そういう力のある人を二人知っているのだよ。どちらもインチキじゃない、本物!
そのうちの一人に、5月の初めに会う機会があって、どういう訳かむしょうに北海道行きの事聞きたくなって。その人の言ったことは絶対守らなきゃいけないから、聞かなきゃよかったのに…。
「7月は絶対行っちゃダメ!8月ならいいけど。何があっても知らないよ!」
と、言われてしまった。「ええっ!その日ってもう決まったるんですけど…。飛行機の予約も取っちゃったんですけど…」
何度聞いてもダメ。何とかならないかと、半泣きでお願いしたら、後でファックスで名前・生年月日・行く日など書いて送りなさいと。
後日、日帰りだったら何とかなる、とのお墨付きを頂きました。ホッ。
お金なんか要求されないぜ。ま、心ばかりのお礼はするけど。

以前、私の知り合いが友達との北海道旅行の前に、その方にお伺いをたてたところ、3月1日から11日の日程だったところ、「10日までに帰ってくるように変更しなさい!」と。11日は、東日本大震災でした。
  • posted by はま~た 
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  • 2012.07/15 07:08分 
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No title 

師匠、ありましたねそういうの。これ昭和30年代の地方の話だから、親はもっと真面目に聞いたんじゃないかな?教師が一番信じてなかったんだよ(爆)
ウチも爺さんが亡くなるまでそういうのうるさかったですよ。庭木も動かしちゃいけないの。孫娘は墓参りも法事もお盆も一切しないけど。
  • posted by たま 
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  • 2012.07/16 03:16分 
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No title 

はま~た、へえええ!私は元々気にしない。で、後で悪いことが起きたら「方角が悪かったんだね」と相手に平気で言うの。明らかに人が居るのに旦那には見えないときも困るんだ。自分の脳が病気って方が信じられるな。。。
んでその人の話では、7月旅は駄目なんだな?しまったな~最初に知ってればな。。。自力でチケット取って2・3泊したのに。。。それができなかったってことは、すでにそういうこと?
残念です!
  • posted by たま 
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  • 2012.07/16 03:28分 
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No title 

数学教師の語った不思議な話2。

かなりのおじいちゃん先生。
当時高校2年生だった我々は、先生をなめきって授業中に内職をしたり、ゲームをしたり、大騒ぎをしたりしていた。
それでも先生は黙々と授業をしていたのだが、ある日のこと彼は授業を中断して窓辺に立ち外を眺めた。
大騒ぎをしていた我々もそれに気づき『ヤバイ、本気で怒らせたか?』と固唾をのんで彼を見つめた。
静まりかえる教室。
外を眺めていた彼は一言。
「カラスの肉は…まずいそうですよ」
?!
「じゃ、続きを…」彼は教壇に戻った。
何がなにやら分からないまま、我々はそれ以降、彼の授業を真面目に聞くようになった…。

不思議じゃのう。とっぴんぱらりのぷう。
  • posted by べにお 
  • URL 
  • 2012.07/16 13:09分 
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No title 

カラスの肉がまずいのは私も聞き知ってますよ!
  • posted by たま 
  • URL 
  • 2012.07/16 20:21分 
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No title 

信じますね、こういうお話、単純に。
理屈って、結局は人間の考えつく範疇でのやりとりですからね。優秀な科学者ほど、欧米人ではクリスチャンだったりするし、日本人なら初詣に行ったり墓参を欠かさなかったりするそうで。
目に見えないものに対する畏敬の念は、本来は人間に元々備わっているものなのでしょうね。現代は、ちょっと薄れてしまったように感じますが。

>「お守りくらいで、父兄が安心するなら、いいじゃないか」
こういう大らかさと云うか包容力が、上に立つ人には必要なんですよね~。
  • posted by - 
  • URL 
  • 2012.07/18 17:17分 
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No title 

今の学校現場には、そういう大らかさがない気がしますね。
畏敬の念。そうそう。人知の及ばぬもの。
自然災害しかり。
  • posted by たま 
  • URL 
  • 2012.07/19 00:13分 
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