2020.02/22 [Sat]
箪笥の中身訪問@てんてんさんの巻
ごきげんよう。
京都滞在3日目は、ポケモンと観光地に行ったりポケ活したり、てんてんさんのお宅でてんてんさんの旦那さんが作ってくだすったご飯を食べたりしてまったり過ごしました。
柴わんこが、わたくしを嫌うこと半端ないっす(爆)
彼女にとっては、自分のテリトリーに相入れない敵が来襲した気分、と言っても過言ではありません。
関係者諸氏には本当に申し訳ないんですが、わたくしは、犬が大の大の苦手(爆)なので本来、わんこがいるご家庭に遊びに行くのはとんでもない暴挙であったと、自覚しております。実際に1回も触れることはありませんでしたし、たとえてんてんさんちの柴わんこがフレンドリーであったとしても1ミリも近づけなかったでありましょう。
それでもいちおう前もって、わたくしが履いてウチの猫らがそれぞれにアタマに被った靴下を、京都に行く5日ほど前に発送しておきました。てんてんさんちの柴わんこは、のちにこの匂い、見知らぬ猫らの匂いをぷんぷんと纏わせた知らない人間が来るとは思いもしないで、珍しいオモチャのつもりで靴下で遊んだようですが。。。気の毒にのう(爆)動かない靴下と動き回る人間では、脅威の度合いが違うようです。
可哀想な柴わんこは、わたくしに吠えつこうとして旦那さんに叱られ、てんてんさんにしっかりホールドされて自由を奪われ、ちょーお気の毒に過ごしました。
わたくしひとりのせいで、ご不自由だったのは、柴わんこだけではありません。旦那さんにも申し訳なかったなーーー。ああでも、おかげさまで安心して、とても楽しいひとときを過ごせました。
本当にどうもありがとうございました!!!
っつー訳で、箪笥の中身訪問。
これが楽しみでわざわざ寄せていただいたと言っても過言ではありません(爆)
奥さんがたも、てんてんさんの手持ちの着物類はさぞかしたくさんあると想像できましょう。千手観音を発揮されて、たくさんの着物が入ってくる余地もあります。
古くて広い京町家の、陽の入らない箪笥部屋には、旦那さんのお母さまお祖母さまの桐の箪笥が並んでらっさっいました。
関東平野人には理解しがたい、谷崎の世界が現実に広がってました。
何もかも戦争で焼けた、明るくカラッとした関東平野に住う人間には、戦争で焼けなかったゆえに今も残る文化の匂い立ち込めた古い家が、興味深くありました。
でも実際にはてんてんさんは、手元に残す着物類は非常にシビアに分類してらっさいます。好きを追求すると結局は、着る着物が限られてくるのです。増して着物好き歴が長いてんてんさんのこと、残した着物に来歴があることもあって、すべてを拝見させていただく時間はありませんでした。
最初のころにたとう紙を開いて見せてもらったのはほとんど画像を撮っておりませなんだ。
途中からやっと気がついて(遅い)全体からはほんの一部ですが、画像を撮った着物をご紹介します。
てんてんさんは柔らかものを着るイメージですし、さぞしっとりお似合いになるであろうとは想像できますが、ご本人が好きで着られる着物はほぼ紬のみ、でらっさったんでした。
織り柄が気に入っている夏の薄物。
普段に着たい鮮やかな黄色の格子柄紬。
菊唐草柄の単衣紬。
無地場にわずかに色を変えた飛び柄を配した袷の紬。
牛首紬っぽく良さげな地です。帯次第でお出掛け先も様々に選べましょう。
何枚も何枚も拝見していくうちに、てんてんさんがお好きな色目がわかってきました。
そしてお似合いになる色も。
そういえばわたくしがいる間にお買いになった無地紬も、サンドベージュ色でしたっけね。
てんてんさんはちょっと変わった柄が好き(爆)
ベージュ地の十日町らしい紬。
お祭りの、神輿や提灯、雀が飛び交う様子を見ると、新米ができた頃の秋祭りか???(爆)
たくさん着るという訳じゃなくて、この柄の妙な持ち味が手放しがたいそうです。
黄色と紫色の型染めの小紋。
てんてんさんは具象の花柄はあまりお召しにならないようです。意匠化された花柄がお気に入り。
甕覗きのような染め色の地に紅葉の刺繍の小紋。
手仕事の部分が気になるのです。
どういう物語を作って着ようか、考えるのも楽しみのうち。
薄ベージュ地にみっちり人形柄の小紋。
こちらもいつどんなとき、どんな風に装うか、考え中です。
画像にはないのですが、墨黒地に祇園祭の山鉾が描かれた夏着物などもありました。
着るのは京都の祇園祭のときだけ。
そういった時期限定のおされも、ぴったりと気分に合った着物があると楽しそうです。
オリエンタルが大好き。
エジプトヒエログリフ柄の訪問着。
エスニック柄大好き。
柄に惹かれて買ったエスニック黒留袖。
もちろん本来の目的で着る予定などありませぬ(爆)
いいのいいの。
落ち着いたテラコッタ色の南部茜染めの紬と帯。亡くなった旦那さんのお母さん(てんてんさんからはお義母さん)が残してくれたもの。
ここでは画像がありませんが、やはりお義母さんが残してくれた、結城紬もございます。そちらは梅鼠色(うめねずいろ)のような、空五倍子色(うつふしいろ)がちょっと濃いような色目です。
よくお似合いのものを残してもらったんですねーーー。
結城紬のほうは、てんてんさんが死装束にしたいとおっさる。
我が家に初めてお泊まりいただいたときは、その着物をお召しでした。
きちんと作られたいいものを大事にする、大事にしつつきちんと身につける感覚。。。
慶長小袖風の柄付けが華やかな訪問着。
てんてんさんがちょっと違ったものを着る必要があって、相談するとステルスタンタン(敬称略)が送ってくれたブツ。ステルスタンタンの仕事っぷりはすげえわ(爆)
トリさんのハンコ型染め小紋。
トリさんがいかにもエスニックです。
てんてんさんの手持ちでは珍しい、紅花染めの明るい色目の着物。
絽の黒留袖。
細工の細かさが気に入って手に入れたもの。
染めと刺繍でみっちり細かい壺が描かれています。オリエンタル風の壺の模様が、てんてんさんのツボにハマるのでした。
いつどこでどんなヒトがわざわざこのようなものを作ったのか。。。想像すると楽しいです。
でもわたくしは現実的なので、これはもしかしたらちょっといいものばかり用意する必要のあったいいホテルの、貸衣装だったのではないか、と考えております。夢がなくてごめんね(爆)
メガネウラの夏の刺繍帯。
(注;メガネウラとは、約2億90000年まえ、古生代石炭紀に生息していた生物)
ええもちろん本当はトンボなのでしょうが。メガネウラのほうが似てると思うなーー。
藍染め麻の葉柄の小紋。
知り合いのかたからいただいたもの。こちらにも、物語がありました。
八掛も凝りに凝って、黒地に跳び絞りが配されたものです。
よほどの着道楽が、自分の着姿を知り尽くして誂えた感じです。
てんてんさんはこの着物を、ちゃんとおされ着として着られるかどうか気にされてました。何しろ一見すると浴衣にもある柄なので、正絹のおされ着物として成立するかどうか、心配だったようです。
実際に、わたくしが羽織ると、浴衣っぽくてあまりいいものには見えなかった(泣)
てんてんさんは、かなり個性が際立ちましたが、お似合いでした。
瓦の柄の刺繍の帯。
屋根瓦の柄の小紋。
白地に墨絵風屋根瓦の柄の小紋。
いえ、いいんですよ。いいんですけれども。
最初の小紋1枚のときは、屋根瓦柄ってたまに見るけど、着てるヒトは見たことないんだけど、まさかお友だちの家で見るとはなーーふっしぎーーーと思っただけでした。でもまた屋根瓦柄の小紋が出てきた。もうわざと買ってるね?
しまいには、凝った刺繍の帯。。。
ご本人にも、どうして屋根瓦が気になるのか、わからないそうです。
。。。おまえは鯉のぼりかなんかかっっっっっ
ああ楽しかった!
ヒトさまの持ち物って本当に楽しい!
てんてんさん、どうもありがとうございました!!!
いつも読んでいただいてありがとうございます。
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メガネウラって…
右上の屋根瓦小紋はワタクシを初めて骨董市にお連れくださった時にソッコーでゲットなさったブツ。他にも色々お持ちだったとは…。前世は鯉のぼりでいらっさったのでは?
ちなみにタモリさんの前世はソロバンの玉だったそうです。
本当にお見事な品々。でもワタクシはいつも帯作りに忙しくていっぱい何かが積んであるのしか見たことがない。
んでもって、古き良き時代のてんてん家の佇まいはワタクシの祖父母の家と同じような造りで、同じように丁寧にお暮らしになってるのがわかってついつい寝っ転がりたくなるのです。
柴わんこちゃんはツンデレ、で吠えながらシッポ振る。そしてワタクシがくしゃみすると「ワホ?」と心配してくれるのです。
しかし「亜雅紗さんの着物の趣味は、えーと…変?」とはよくおっさってくださいましたわ、親分!後半はなかなかの偏ったご趣味と拝見するのですが。次回お会いした時によくお話いたしませう。