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まおじゃらん

着物と猫と、ときどき絵画。

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大事にしている総絞りの長羽織のこと

ごきげんよう



暮れも押し詰まって参りました。
奥さんがたに於かれましては、仕事納めやら大掃除やらいかがお過ごしでしょうか。
我が家は昔から、家庭ではお正月らしいことは何もしないため、年末が近づくにつれ、気分的な空白がやってくるんでした。
ああでも最近は、1月1日元旦は休む商店も出てきたので、2・3日くらいは買いものしなくていいくらいの食糧は揃えておきましょう。っつーかわたくしが子供のころは、お正月は何処も開いてなかったもんですが、いつしか元旦からがっつりと商店が開くようになり、セールまで始まってしまい。。。最早とっくに若くなくなっていたわたくしなどは、新春からセールになるともう何も買いものする気にならないのでした。本当は2月いっぱい3月に入っても寒い日が続くのに、今にももう冬が終わりそうな気分になるのです。今さら冬もの衣料を買ってどうする、みたいな(笑)気が早いと笑ってくだすってよござんす。もしかしたら、冬至を経て、日差しが変わるせいかもしれません。
まあそれはともかく、今現在は、まさに冬真っただ中。
今日は、手持ちの長羽織の中から、総絞りの羽織を検証してみたいと存じます。






鹿の子総絞りの長羽織です。
濃紺の地に絞りの先っぽは深紅。
元は、わたくしの実家の母親が、実妹のために17年ほど前に作った小紋着物でした。実妹は当時独身だったので、母親としては少しでも着物を持って嫁に行かせたいと考えていたのでしょう。とっくに結婚して家を離れた長女に着物を買い与える大義名分がないので(爆)着物にまったく興味がない妹に作ったのでした。
でも本音では、母親はただ買いたくて買っただけなのです(苦笑)総絞りの、いい着物が、欲しかったっぽい。ギリギリ戦前生まれ、めっちゃ庶民の田舎暮らしの母親にとっては、自分の欲望のまま自分の着物を買うことはできなかったのです。未だ嫁に行かない次女のため、という大義名分が必要だった。感覚的にわたくしには理解不能であるのですが(理屈としては、わかる。あくまで理屈として)、ひと目とか、とても気にしてましたよ。っつーかまだ元気に生きてるけど。最近はようやっと己れの好きなように生きてるらしく見えます。ココロの自由が何よりですな。
母親が好きで欲しくて買った着物は、もったいないけど実妹にとっては無用の長物で、その価値すら興味関心なく、長着として1回も着られることはありませんでした。しつけ糸がついたまま、わたくしが横取りしましたよ。
言い訳するならば、わたくしも1回くらいは、長着として着るつもりだったのです。でもたまたま着る機会があったとき、天候が悪くて着る機会を逸した。今なら(当時も)雨コートはあるし、着ようと思えば着られたのですが、当時のわたくしにはその覚悟がありませんでした。雨の日に着物でお出掛けするのも慣れていませんでした。
そして約10年ほどまえ。いいトシぶっこき具合が洒落にならず、どんどん太ってしまったとき、最早この総絞りを、長着で着る肉体は持ち合わせておらず、今後もスマートな身体は手に入らないであろうと見切りをつけたわたくしは、ちょっといい長襦袢地(当社比)を選んで、長羽織に仕立て替えたのでございます。
羽裏にした長襦袢地は、ベージュ地に染めで疋田を雪輪柄に詰め込んだブツ。雪輪好きも満たされて、鹿の子絞りとの相性も合うし、いいお買い物でした。高かったけれども!!!(当社比)


羽織紐は、女中(めちゅう)。
疋田のてっぺんの深紅を、もっと暗くした色を選びました。紐の先は、房ではなく、玉です。色はグレイ。

さてこの羽織は、わたくしの着物にたいてい合います。鹿の子総絞りが幾何学柄っぽいので、色柄がある小紋などにも合わせ易く、総絞りのふっくらした質感が、紬の着物などにも合わせ易いのです。
元の品物がいいので(当社比)、他所でも褒められる一品です。



総絞りの羽織は、リサイクルでもたくさん見られます。紬と合わせて着るのが流行った時代があるらしいのです。羽織丈は昭和40年代50年代の、70センチから80センチが多いですね。
いい色柄が多くて可愛いのですけど、わたくしにはその羽織丈は短過ぎる。イマドキの若いお嬢さんが軽快に着るならば、レトロで可愛いのでしょうが、いいトシぶっこいた身にはちょっとキビシい。それは、昭和40年代には、子供であっても既に産まれていたという事実。子供であってもろくに記憶もなくても、時代の空気を吸って生きていたという歴然とした事実が、この時代のモノを着ると古くさくなる要因であろうと想像します。お洋服で言うなら、フィフティーズを、現実にフィフティーズ産まれが着るとシャレにならん感っつーか。バブル期のワンレンボディコンをイマドキの娘っこがシャレで着て踊るのは芸人風っつーか(何の話だっっっ)だけど当時ワンレンボディコンだった奥さんが今その姿になったら悪いけどどん引きされるっつーか(笑)ファッションのリバイバルとは、そのとき産まれてなかったヒトが楽しむものなのでございましょう。
さてこのような短い着丈の羽織は、今風に長さを出そうとしてもかなり難しいらしいので(やったことないので又聞きです)、効果的に使うならば、汚れが少ないものを名古屋帯にするテもありますな。名古屋帯は仕立てに出しても比較的お安いです。ご自分で羽織から名古屋帯に縫われてるかたもいらっさいますよね。大阪のおかんさんとか。羨ましいですわーーー。
総絞りの小紋長着はリサイクルでもたまに見掛けますねーー。こちらは多分、ウチの母親が欲しがったみたいに、昭和60年以降平成に入ってから、わたくしの母親世代前後の年代の奥さんがたがお求めになったものらしいのが多く見受けられます。この年代のかたのリサイクルものは、裄がちょーーーっと短めなの。もし全体に小さくても、このように長羽織にする手段が使えますので、お気に召した色柄の総絞りの状態のいいのがお安く手に入る機会があれば、手に入れとくとよござんすよ、奥さん。職人さんも激減した今、もう今後は、このテの細工物は非常に高価になるか、もしくは恐らく手に入らなくなりますゆえ。
わたくしも、ウチの母親が持ってる「総絞り高い、スゴい」気持ちと共に、せいぜい大事にしたいと存じます(笑)総絞りのふっくらした生地感が、寒い季節を豊かな気持ちで過ごさせてくれるのでした。


いつも読んでいただいてありがとうございます。


https://fashion.blogmura.com/kimono/ranking.html





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Comment

No title 

どうも絞りは苦手であります。
特に総絞り!(他様が着てらっしゃるのは素敵に見えるのですがねぇ...)
理由は自分でも分かりませんでしたが、たまさんの見解で納得出来ました。
そう、昭和中〜後期過ぎる...!
ちょっとでも空気吸った人間だからww
なるほどね〜〜〜〜
リバイバルの例えが秀逸過ぎますわ(^_^;)
  • posted by U-カリン 
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  • 2017.12/26 14:34分 
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No title 

>ファッションのリバイバルとはそのとき生まれていなかったヒトが楽しむものでしょう。
って!!!
名言なんですけど~~~
わかるわ~。って云われてみて初めてそうだったのか!と、目から鱗ですよ。
私も絞りの羽織を持っていたんですが短くてどうにも古臭いので処分しちゃいましたもん。
ああでも、この羽織は本当に素敵。
ずっと大事にしたいものがあるのって好いですねえ
  • posted by ほあかばりきるま。 
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  • 2017.12/26 19:53分 
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No title 

亜雅紗

まぁー、たま様のどのお着物にも似合いそう。きっとめっちゃお似合いですわ。総絞りの小紋「あっしだって太く見えますよ」とあすか様の言葉をうけてもう着ちゃおうと思ってます。豚に見えるが他の着物に比べてぬくいー。

ワタクシ謎の羽尺の反物を義母のカオスな押し入れから掘り出したのですが、どう見ても小紋、つけ下げ…んで、ちょびっと切り取って何をつくったんだ?!姑?!とまた絶叫してるのですがあまり私の着物に似合わない(T_T)明度が違うってか彩度が違うってかウーン。私は気に入ったらなんでもヘビロテしまくる性格なので服でも着物でも結局数はたくさん要らないのです。たま様の羽織たちの様に私好みの(私が好んでどーする)羽織がございましたら冬のお出かけもっと楽ですのに。
  • posted by tar***** 
  • URL 
  • 2017.12/27 01:24分 
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No title 

> U-カリンさん(^^)アンティークの鬼絞りなどはお似合いそうですけどね(笑)昭和中期ころは特に、高度成長期袖丈(@あすか師匠)とか、微妙な時代の流行りが多過ぎる気がしますわ。
ナイスありがとうございます。
  • posted by たま 
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  • 2017.12/28 11:15分 
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No title 

> ほあかばりきるま。さま(^^)よく「流行は繰り返すから」と古い服を大量に持ってるオバちゃんがいますよねーー。いやいや何度繰り返してもアンタは若いころを繰り返せないだろっっっと言いたい。自分にも言い聞かせてますよ(爆)
どうやら着物にも流行りってあるんですねーー。今、自分が着てるものが古くさくなるときが来るのかな?古くなるまで生きてない気もするけど(苦笑)
  • posted by たま 
  • URL 
  • 2017.12/28 11:22分 
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No title 

月涙さま
utaさま
てんてんさん
ensyuuさま
すのうさま
mii*****さま
ナイスありがとうございます。
  • posted by たま 
  • URL 
  • 2017.12/28 11:23分 
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No title 

亜雅紗さま(^^)そーそー。総絞りは暖かいですよね。空気を含んでるせいかな。やっぱり冬の素材って感じがします。
義母さまのカオスな押し入れって(爆)何やら怖いような楽しいような(爆)で、ホントに何を作ったんでしょうね?(爆)
  • posted by たま 
  • URL 
  • 2017.12/28 11:35分 
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No title 

mas*****さま
yud*****さま
とめ吉さま
ナイスありがとうございます。
  • posted by たま 
  • URL 
  • 2017.12/31 14:29分 
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