2017.10/31 [Tue]
最近読んだ本・9月10月
ごきげんよう


さて恒例の最近本。
昨年秋に自宅を売却処分して転居した際、持ちものも家財も大体的に売却処分したわたくしは、家に本を置かないようにしています。今のところはすべて、公共の図書館から借りたものです。

『名もなき毒』
宮部みゆき
タイトルの通り、ほんの小さな悪意、悪意と言えないまでもわざわざ示さない親切、無関心等々がゆるく膨れ上がって悲劇になるっつー話。。。でしたが、正直もう内容を覚えてない(爆)恐らくわたくし好みのイヤミスではなかったのでしょう。
著者の本は、基本的にいいヒトがたくさん出て来るのです。性善説?ほっこりといい話ジャンルも多い。でもヒトは、状況に依って良くも悪くもなる、その判断すら状況次第です。ほっこりいい話をわざわざ取りに行かなくてもいい気がする。ココロ安らかに生きるためにも、誰にもニュートラルに距離を置いた方が良さそうだとつくづく思うのでした。

『通り魔』
嶽本野ばら
裕福と言えない(でも貧困でもない)家庭、良くも悪くも目立たない容姿、取り立てていい訳ではない学業能力。でも心根は優しいと言える少年が、段々と転落していく様子が、リアルで苦しいです。今の世の中、空気を読めとか忖度しろとかが多いですし、実際回りの状況が読めなさすぎると発達障害かもしれませんが、そればかりが生きる上での能力でもないようです。正解はどこにもありません。
この少年に何か失敗があったとしたら、他人も自分と同じように物ごとを考えると思い込み、他人を信じたこと。自己を追いつめて法を犯したこと。
生きることは常に方便なのです。

『遠野物語拾遺 retold』
京極夏彦×柳田國男
ご存知『遠野物語』を京極夏彦が現代語意訳で書き下ろしたもの。わたくしは佐々木喜善の書いたものと柳田國男の書いたものと両方持っておりました。
柳田國男の『遠野物語』は柳田のフィルターを通したもので、現地出身で現地の空気感を良く知る佐々木喜善にとっては納得できなかったものだと聞いています。でも現実に柳田國男の影響力は大きくて、今でも『遠野物語』といえば柳田國男の方がベースになってますが。最も研究者でもないと、その差は気にしないでしょう。
で、こちらは更に、京極夏彦のフィルターがかかったもの。断然読み易いです(笑)
『和ごころのおもてなし』ド・ローラ節子
『大人きものおしゃれ事典』上野淳美
着物本2冊。
ヒトサマの着てるものって楽しい(笑)自分とかけ離れていても楽しいのです。

『おしゃれと人生』
小川奈緒
今60代70代の、各業界のおされな方々が着てるもの。
まあでもこういったものを見ると、現代に限らずいつの世にも、限られた特出した人間ってのはいるものです。経済的にだったり能力だったり容姿だったりいろいろです。人間は平等ではないのですから。
そして昔は、限られた人間にしか発信できなかった手段が、底辺まで降りて来て、こうしてわたくしごときも個人的に発信している。世の中が変化したと思うのはこんなところですな。
ただやっぱり、特出した人間はいつの世でも限られているのでした。憧れは適度にして、自分の人生を肯定的に観た方がいいと思いますのよ、奥さん。
それにしても今、世のヒトが何を着てるのか全然わかんないや。

『脳に棲む魔物』
スザンナ・キャハラン
何らかのウィルスが脳内に入ったのが原因で、自己免疫で脳が炎症を起こす、脳が壊れていくその状況が本人の言葉で綴られているのが珍しいのだそうです。著者は運良く治療に間に合って、かなり元通りになりました。
ニューヨークのような都市のそれなりに裕福な階層できちんと医療行為を受けられるにも関わらず、脳が炎症をおこしているのが医者にもわからないのが怖いです。
患者をハタで見ると、認知症の症状が出ているようにも見え、性格が変わってしまい、手足にしびれが出て言語が不自由になっていく。病気の検出には脊髄液の検査が必要で、この病気だと知られずに精神病として病院に収容される場合も多いとのこと。患者数はもっとあるのかも知れません。
子宮に腫瘍がある一部のタイプの女性に出る炎症であるのが研究でわかってきたそうですが、この著者はそれにも当てはまらず、原因は不明のままでした。治療は、自己免疫を抑えるためのステロイド投与のみ。そしてその後のリハビリが、生活の質を左右します。

『死因大全』
実業之日本社編
病名を列挙しただけで解説が少ない。軽く読むためだけのもの。
わたくしには全然物足りなかった。ああ読んで損した(爆)
活字好き死体好き病例好き犯罪事例好きヲタ(←どんなヲタだと思われるでしょうが、居るんですよここにも。奥さんはご存知だよね。笑)にはお勧めできないです。
いつも読んでいただいてありがとうございます。


https://fashion.blogmura.com/kimono/ranking.html



さて恒例の最近本。
昨年秋に自宅を売却処分して転居した際、持ちものも家財も大体的に売却処分したわたくしは、家に本を置かないようにしています。今のところはすべて、公共の図書館から借りたものです。

『名もなき毒』
宮部みゆき
タイトルの通り、ほんの小さな悪意、悪意と言えないまでもわざわざ示さない親切、無関心等々がゆるく膨れ上がって悲劇になるっつー話。。。でしたが、正直もう内容を覚えてない(爆)恐らくわたくし好みのイヤミスではなかったのでしょう。
著者の本は、基本的にいいヒトがたくさん出て来るのです。性善説?ほっこりといい話ジャンルも多い。でもヒトは、状況に依って良くも悪くもなる、その判断すら状況次第です。ほっこりいい話をわざわざ取りに行かなくてもいい気がする。ココロ安らかに生きるためにも、誰にもニュートラルに距離を置いた方が良さそうだとつくづく思うのでした。

『通り魔』
嶽本野ばら
裕福と言えない(でも貧困でもない)家庭、良くも悪くも目立たない容姿、取り立てていい訳ではない学業能力。でも心根は優しいと言える少年が、段々と転落していく様子が、リアルで苦しいです。今の世の中、空気を読めとか忖度しろとかが多いですし、実際回りの状況が読めなさすぎると発達障害かもしれませんが、そればかりが生きる上での能力でもないようです。正解はどこにもありません。
この少年に何か失敗があったとしたら、他人も自分と同じように物ごとを考えると思い込み、他人を信じたこと。自己を追いつめて法を犯したこと。
生きることは常に方便なのです。

『遠野物語拾遺 retold』
京極夏彦×柳田國男
ご存知『遠野物語』を京極夏彦が現代語意訳で書き下ろしたもの。わたくしは佐々木喜善の書いたものと柳田國男の書いたものと両方持っておりました。
柳田國男の『遠野物語』は柳田のフィルターを通したもので、現地出身で現地の空気感を良く知る佐々木喜善にとっては納得できなかったものだと聞いています。でも現実に柳田國男の影響力は大きくて、今でも『遠野物語』といえば柳田國男の方がベースになってますが。最も研究者でもないと、その差は気にしないでしょう。
で、こちらは更に、京極夏彦のフィルターがかかったもの。断然読み易いです(笑)
『和ごころのおもてなし』ド・ローラ節子
『大人きものおしゃれ事典』上野淳美
着物本2冊。
ヒトサマの着てるものって楽しい(笑)自分とかけ離れていても楽しいのです。

『おしゃれと人生』
小川奈緒
今60代70代の、各業界のおされな方々が着てるもの。
まあでもこういったものを見ると、現代に限らずいつの世にも、限られた特出した人間ってのはいるものです。経済的にだったり能力だったり容姿だったりいろいろです。人間は平等ではないのですから。
そして昔は、限られた人間にしか発信できなかった手段が、底辺まで降りて来て、こうしてわたくしごときも個人的に発信している。世の中が変化したと思うのはこんなところですな。
ただやっぱり、特出した人間はいつの世でも限られているのでした。憧れは適度にして、自分の人生を肯定的に観た方がいいと思いますのよ、奥さん。
それにしても今、世のヒトが何を着てるのか全然わかんないや。

『脳に棲む魔物』
スザンナ・キャハラン
何らかのウィルスが脳内に入ったのが原因で、自己免疫で脳が炎症を起こす、脳が壊れていくその状況が本人の言葉で綴られているのが珍しいのだそうです。著者は運良く治療に間に合って、かなり元通りになりました。
ニューヨークのような都市のそれなりに裕福な階層できちんと医療行為を受けられるにも関わらず、脳が炎症をおこしているのが医者にもわからないのが怖いです。
患者をハタで見ると、認知症の症状が出ているようにも見え、性格が変わってしまい、手足にしびれが出て言語が不自由になっていく。病気の検出には脊髄液の検査が必要で、この病気だと知られずに精神病として病院に収容される場合も多いとのこと。患者数はもっとあるのかも知れません。
子宮に腫瘍がある一部のタイプの女性に出る炎症であるのが研究でわかってきたそうですが、この著者はそれにも当てはまらず、原因は不明のままでした。治療は、自己免疫を抑えるためのステロイド投与のみ。そしてその後のリハビリが、生活の質を左右します。

『死因大全』
実業之日本社編
病名を列挙しただけで解説が少ない。軽く読むためだけのもの。
わたくしには全然物足りなかった。ああ読んで損した(爆)
活字好き死体好き病例好き犯罪事例好きヲタ(←どんなヲタだと思われるでしょうが、居るんですよここにも。奥さんはご存知だよね。笑)にはお勧めできないです。
いつも読んでいただいてありがとうございます。


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No title
私もそうかもしれません。
余りヒトサマには云えませんがサイコパスの心理とか行動とかめっちゃ気になるし知りたいしそういった人の犯罪の本とか結構読んじゃったりするんですわ~。
薬物やアルコールに依存してしまった人の死にざまの話とかもすごく気になるし(自分がアルコール依存症だからってのもあるんですが)そして世にも恐ろしい画像とか見ちゃうんだな~。え?たまさまはそこまでではない?すんまへん。