2017.03/28 [Tue]
横溝屋敷、撮影の裏側
ごきげんよう


こちらは予約投稿ですわ。
本日は横溝屋敷を撮影するまでの詳細、撮影中、撮影後の様子をご紹介したいと存じます。
ウチの夫が、
「あすか師匠のために(←ホントにホントにこう言った)死体をやりに行こう」
と言い出したのは、撮影当日朝のことでございました。
本人は横溝屋敷に行って、座敷で横になればそれでオッケー、くらいの軽い気持ちだったのかと思われます。しかしわたくしの妹(実妹)が横溝正史大好きで角川文庫全巻所持していた関係上、わたくしも横溝作品は読み込んでおりましたし、大学時代に映画研究会でヘンなホラー映画(先輩すみません)を撮っていたこともありますし、市川崑監督の金田一シリーズは大好物でございました。ってな訳で、あまりチープに適当に作ってはお天道さまにも横溝正史にもあすか師匠にも申し訳ないのです。チカラ及ばずとも精一杯やりたい所存でありました。

急に言われるし、これだけのためにわざわざ衣装を用意できるほどの余裕もないので、手持ちのものでそれらしくなるよう考えました。
ウチの夫だけを死体にしても、絵にならないと考えたのでございます。
横溝時代は、第二次世界大戦後、昭和20年代がメインです。
主人公は『美しい未亡人・あすか』ですから、脇役の配置には気を使います。
死体を発見するのは長羽織のヒト。ちょっと世間離れした感じのご婦人らしくなればいいと思いました。でも生憎わたくしはアンティークの長羽織は1枚も持っておりませなんだ。そしてわたくしの着姿はあまり若くは見えないと思ったので、肩書きはいいトシぶっこいたいかず後家に設定しました。
更にもうひとつ女の死体が必要なので、羽織を脱いだら使用人らしくみえる着物で。
本当の使用人ならば、時代考証すると木綿の絣木綿のもんぺが本来でありましょうが、生憎と木綿絣など1枚も持っておりませなんだ。依って肩書きは、大奥様お下がりの着物を着た行儀見習いの娘という設定。
黒×赤の平織り紬。
白い紬地の八寸名古屋帯。
紫色地麻の葉柄ポリエステル長羽織。
マルチストライプの帯揚げ。ほ~さまからのいただきもの。
臙脂×白の正絹三部紐。
100均ダ○ソーの招き猫箸置き帯留め。
黒猫柄シルエット半襟。
マゼンダピンクの羽織紐。
100均ダ○ソーのグレイの招き猫柄たびっくす。
撮影では正面から写さないので、帯揚げ帯〆小物類は見えない予定。
時代と身分を反映して、着物の着丈は短く。
髪にはべっこう(100均…爆)かんざし。多分、髪もちょっとしか写らない予定。
でも襟やたびっくすなどちょこちょこ猫ものを配置しているのは、撮影後に時間があれば、ドライブがてらリサイクルショップに行くつもりだったからでございます。


映画の設定だから、横アングル縛りですのよ。
縦アングルは撮っても使いませんでした。
小さい三脚は持参しましたが、押し入れや箪笥を使っても、俯瞰の画面作りが難しいのです。
今後の課題だと思います。
←ウチの夫の着てるものがあまり死体っぽくない。
死体の演技指導中(爆)
小道具の包丁などあっても効果的に使えず、まさか血糊をばらまく訳にもいかないのです。
殺し方は限定されました。
それも今後の課題だと思います。
鴨居で首をくくって欲しかったけれども、縄は持って来ませんでした。っつーか、上からナメのカメラアングルが難しいのです。脚立が欲しい。ある訳ない。あっても使ってたら、見つかったらヤバいだろう。仕方がないので、五右衛門風呂で逆さになってもらいました。スケキヨを意識しています。
でも、でも。どうしてそんなに身体が硬いんだーーー!!!
もっと死体を演じて欲しい。
もしかして死後硬直してるのか。
本人は相当苦しそうです。
でも監督としては(←急に監督になった)、おどろおどろしくもリアルな絵ヅラが欲しい。
。。。っつーことで、死に方の見本を見せねばなりません。
行儀見習いの娘は、竃にアタマツッコんで焼死の心積りがありましたけれども、急遽五右衛門風呂で死ぬことになりました。実際にロケ現場を見ると、もし竃で死体になろうとしたら、着物がかなり汚れるだろうと、躊躇してしまったのです。
着物大事でヒヨりました。
演技に命賭けられなくてすみません。
思い切ってダイブしました。
アタマから威勢良く突っ込んだら、わたくしは腕のチカラがないために、ずるずると深みに入ってどんどん風呂釜の底に落ちてしまい、到頭自力では起き上がれなくなりました。五右衛門風呂は思ってた以上に深い。夫は気がつきませんでしたが(気がついてないので連写してますが)、わたくしはこのとき本気で助けを呼んでいたのです。夫が笑いながら見ている前で死ぬ、なんとも情けないパターンが見えるようですわ。水が入っていたらとっくに溺れ死んでいるところです。
五右衛門風呂は、本当に立派な凶器になりますよ、奥さん。ってか普通はアタマから入らないだろうけど。
ここに至って、手も足も顔も砂だらけ、着物も砂だらけ、アタマも砂だらけになりました。
頑張った。頑張ったよ、師匠!!!
この頑張りこそが、あすか師匠へのリスペクトと言えましょう(>をい)。
やがて、恐れていた他所のお客さん(年配の男性)が、建物に入って来ました。散策の一般人なのです。わたくしたちに遠慮してる風でもあり、不思議そうな風でもあり、近づくでもなくこちらを伺っているのです。
ヤバいです。もうこれ以上、ここには居られません。馬鹿なことやってると通報されたら、今後の撮影に影を落としてしまいます。
記念撮影をしてるフリして(爆)すみやかにこの場を立ち去りました!!!
撮影後、着物もぐずぐず、髪も振り乱しておりますがご容赦を。
顔に至っては、写らないのをいいことに、元々ノーメイクの上に疲れと汚れでヨレヨレ、ヒドい有り様なのですわ。このあと「ちゃくちゃくちゃく南中野店」にてあすかさんと会えるのですが、申し訳ないけどマスクは外せなかった。マスクのオバちゃんと顔が汚れたオバちゃん、小僧にとってはどっちがマシだったか不明です。
かように、『すぐに死んでしまう役』の撮影とは、キビシいものなのでした。
いつも読んでいただいてありがとうございます。


https://fashion.blogmura.com/kimono/



こちらは予約投稿ですわ。
本日は横溝屋敷を撮影するまでの詳細、撮影中、撮影後の様子をご紹介したいと存じます。
ウチの夫が、
「あすか師匠のために(←ホントにホントにこう言った)死体をやりに行こう」
と言い出したのは、撮影当日朝のことでございました。
本人は横溝屋敷に行って、座敷で横になればそれでオッケー、くらいの軽い気持ちだったのかと思われます。しかしわたくしの妹(実妹)が横溝正史大好きで角川文庫全巻所持していた関係上、わたくしも横溝作品は読み込んでおりましたし、大学時代に映画研究会でヘンなホラー映画(先輩すみません)を撮っていたこともありますし、市川崑監督の金田一シリーズは大好物でございました。ってな訳で、あまりチープに適当に作ってはお天道さまにも横溝正史にもあすか師匠にも申し訳ないのです。チカラ及ばずとも精一杯やりたい所存でありました。

急に言われるし、これだけのためにわざわざ衣装を用意できるほどの余裕もないので、手持ちのものでそれらしくなるよう考えました。
ウチの夫だけを死体にしても、絵にならないと考えたのでございます。
横溝時代は、第二次世界大戦後、昭和20年代がメインです。
主人公は『美しい未亡人・あすか』ですから、脇役の配置には気を使います。
死体を発見するのは長羽織のヒト。ちょっと世間離れした感じのご婦人らしくなればいいと思いました。でも生憎わたくしはアンティークの長羽織は1枚も持っておりませなんだ。そしてわたくしの着姿はあまり若くは見えないと思ったので、肩書きはいいトシぶっこいたいかず後家に設定しました。
更にもうひとつ女の死体が必要なので、羽織を脱いだら使用人らしくみえる着物で。
本当の使用人ならば、時代考証すると木綿の絣木綿のもんぺが本来でありましょうが、生憎と木綿絣など1枚も持っておりませなんだ。依って肩書きは、大奥様お下がりの着物を着た行儀見習いの娘という設定。
黒×赤の平織り紬。
白い紬地の八寸名古屋帯。
紫色地麻の葉柄ポリエステル長羽織。
マルチストライプの帯揚げ。ほ~さまからのいただきもの。
臙脂×白の正絹三部紐。
100均ダ○ソーの招き猫箸置き帯留め。
黒猫柄シルエット半襟。
マゼンダピンクの羽織紐。
100均ダ○ソーのグレイの招き猫柄たびっくす。
撮影では正面から写さないので、帯揚げ帯〆小物類は見えない予定。
時代と身分を反映して、着物の着丈は短く。
髪にはべっこう(100均…爆)かんざし。多分、髪もちょっとしか写らない予定。
でも襟やたびっくすなどちょこちょこ猫ものを配置しているのは、撮影後に時間があれば、ドライブがてらリサイクルショップに行くつもりだったからでございます。


こうしてわたくしたち夫婦は、一路、サイタマの横溝屋敷(勝手な通称。本当は『難波田城公園』といいう)へ向かったのでした。
晴れた青空でいいお天気、気温は高めで、クルマの中は暑いくらいです。
晴れた青空でいいお天気、気温は高めで、クルマの中は暑いくらいです。
さてこの公園は、駐車場もたくさんあり、建物も他にいろいろあります。当日は平日の昼ころ、別の建物と庭は、何やら自治体のワークショップで、お母さんと子供たちでいっぱいでした。
でもわたくしたちが撮影したい建物の方には誰もいませんでした。
ラッキーです。

『横溝屋敷の惨劇』は
こちら。
でもわたくしたちが撮影したい建物の方には誰もいませんでした。
ラッキーです。

『横溝屋敷の惨劇』は

こちら。
映画の設定だから、横アングル縛りですのよ。
縦アングルは撮っても使いませんでした。
小さい三脚は持参しましたが、押し入れや箪笥を使っても、俯瞰の画面作りが難しいのです。
今後の課題だと思います。
←ウチの夫の着てるものがあまり死体っぽくない。
死体の演技指導中(爆)
小道具の包丁などあっても効果的に使えず、まさか血糊をばらまく訳にもいかないのです。
殺し方は限定されました。
それも今後の課題だと思います。
鴨居で首をくくって欲しかったけれども、縄は持って来ませんでした。っつーか、上からナメのカメラアングルが難しいのです。脚立が欲しい。ある訳ない。あっても使ってたら、見つかったらヤバいだろう。仕方がないので、五右衛門風呂で逆さになってもらいました。スケキヨを意識しています。
でも、でも。どうしてそんなに身体が硬いんだーーー!!!
もっと死体を演じて欲しい。
もしかして死後硬直してるのか。
本人は相当苦しそうです。
でも監督としては(←急に監督になった)、おどろおどろしくもリアルな絵ヅラが欲しい。
。。。っつーことで、死に方の見本を見せねばなりません。
行儀見習いの娘は、竃にアタマツッコんで焼死の心積りがありましたけれども、急遽五右衛門風呂で死ぬことになりました。実際にロケ現場を見ると、もし竃で死体になろうとしたら、着物がかなり汚れるだろうと、躊躇してしまったのです。
着物大事でヒヨりました。
演技に命賭けられなくてすみません。
思い切ってダイブしました。
アタマから威勢良く突っ込んだら、わたくしは腕のチカラがないために、ずるずると深みに入ってどんどん風呂釜の底に落ちてしまい、到頭自力では起き上がれなくなりました。五右衛門風呂は思ってた以上に深い。夫は気がつきませんでしたが(気がついてないので連写してますが)、わたくしはこのとき本気で助けを呼んでいたのです。夫が笑いながら見ている前で死ぬ、なんとも情けないパターンが見えるようですわ。水が入っていたらとっくに溺れ死んでいるところです。
五右衛門風呂は、本当に立派な凶器になりますよ、奥さん。ってか普通はアタマから入らないだろうけど。
ここに至って、手も足も顔も砂だらけ、着物も砂だらけ、アタマも砂だらけになりました。
頑張った。頑張ったよ、師匠!!!
この頑張りこそが、あすか師匠へのリスペクトと言えましょう(>をい)。
やがて、恐れていた他所のお客さん(年配の男性)が、建物に入って来ました。散策の一般人なのです。わたくしたちに遠慮してる風でもあり、不思議そうな風でもあり、近づくでもなくこちらを伺っているのです。
ヤバいです。もうこれ以上、ここには居られません。馬鹿なことやってると通報されたら、今後の撮影に影を落としてしまいます。
記念撮影をしてるフリして(爆)すみやかにこの場を立ち去りました!!!
撮影後、着物もぐずぐず、髪も振り乱しておりますがご容赦を。
顔に至っては、写らないのをいいことに、元々ノーメイクの上に疲れと汚れでヨレヨレ、ヒドい有り様なのですわ。このあと「ちゃくちゃくちゃく南中野店」にてあすかさんと会えるのですが、申し訳ないけどマスクは外せなかった。マスクのオバちゃんと顔が汚れたオバちゃん、小僧にとってはどっちがマシだったか不明です。
かように、『すぐに死んでしまう役』の撮影とは、キビシいものなのでした。
いつも読んでいただいてありがとうございます。


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- at 17:30
- [非・生産活動に自信あり]
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No title
飲んでた炭酸吹いたじゃないですかああああっ!
考えて 作り込んでの設定 素晴らしいわ~(≧∇≦)
私が金持ちなら撮影資金出して続編撮りなはれって言うのになあ‥
ていうかマジで悪所の遊女役希望。
等々力警部に尋問されるくらいの露出度で(笑)