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まおじゃらん

着物と猫と、ときどき絵画。

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夏の喪服

ごきげんよう




叔父が亡くなりました。
ウチの実家は本家なのですが親戚が多く、そういう家に嫁いで来たわたくしの母は長年よほど苦労したらしく親戚付き合いを好まないので、最近は冠婚葬祭がカジュアルになったのをいいことに、プラス、夫(わたくしの父)を亡くしたので尚更、よほど近い親戚でも亡くなった知らせはわたくしまで届きません。
今回は特例(?)でした。
例のごとく例によって、わたくしは洋服の喪服を持ち合わせていないので、お通夜告別式に着るのは和装の喪服です。絽の5つ紋付を引っ張り出しました。
結婚するときに持たされた喪服は正絹のひと揃えです。袷の5つ紋付は正絹のものを便利に着ているのですが、夏の正絹はイマイチ億劫な気がしました。真っ黒なので例え汗ジミができてもわかりにくいだろうとは思うのですが、だからといって着たあと放っておく訳にもいかず、何よりクリーニング代が高いのが自分としてはイヤでした。和装喪服のクリーニングにかかるお金を普段に着る紬のお手入れに回したいのです。
20代30代のころは洋服の喪服も持っていてそちらしか使いませんでした。でも40代に入ってしばらくするともう、経年劣化するオノレの肉体と、それなりに流行があるブラックフォーマルとの折り合いがつかなくなり、コストパフォーマンスが非常に劣悪になったのですわ。
ぶっちゃけ、若いときに買ったブラックフォーマルは腕がちょっとキツくて見苦しくなり、新しく買おうとするもお値段が高いので泣きながら見苦しさに耐え、すると2年後にはどなたかが亡くなって恐る恐る試着してみるともうちょっとどころではないキツさでスカートが入らず、泣きながら新しく買いに行くとびっくりするほど高いのでもう品質などに構っていられずとりあえずと言い聞かせて安いものの中から選んで買いしのぎ、また2年後にはどなたかが亡くなって前のを引っ張り出すも、品質が劣るとデザインの劣化も著しく妙に流行遅れのくたびれたオバチャンになってしまい、その姿が耐えられるときは耐え耐えられなくなったらまた新しく買うしかない。。。ラビリンス。自分が死ぬまで終わらない迷宮です。どや、おとろしいやろ!!!ブラックフォーマルを侮るなかれ。
。。。って思わず大きな文字に変換してしまいましたわ。わたくしのココロの叫びですゆえ。
そうしてわたくしは、平和的解決策を施行することにしました。
自分で洗える素材ポリエステルで、絽の5つ紋付を手にいれること。
それもできる限りお安く!!!(←重要)
おーく損(@ほあかばりきるま。氏。オークションに対する損得溢れる微妙なココロ持ちが込められた秀逸な表現)には、作ってはみたけど(もしくは嫁入り道具に持たされはしたけれども)もう要らない5つ紋付がたくさん出品されています。ほとんどは袷ですが、たまに絽もありました。わたくしは、わたくしサイズに比較的近くてほぼ美品でポリエステル素材であるのを条件に、しばらく観察。。。こういうときわたくしは諦めません。いつか必ず何とかなる。そしておーく損もこういう気長な姿勢を裏切らないのです。
そうしてずいぶん経って。。。おーく損にて、しつけつき未使用手縫いお誂えのポリエステル素材の絽の5つ紋付を見つけたのでした。家紋はもちろん違いますが。。。もう今更、家紋など何でもよくなっています。わたくしの紋付は、お茶席に使う色無地なども全部、ウチの夫の方の家紋がついていますが、夏の5つ紋付など、たとえ貸衣装だと思われてもなんら不自由も不都合もありません。

帯は正絹絽の名古屋帯、帯揚げは正絹の絽ちりめん、帯〆は正絹のレース組です。
長襦袢は悩みました。正式には絽なのでしょうから、洗濯のことを考えるとやはりポリエステル絽の長襦袢に絽の白半襟をつけるのがラク。。。しかし気温によっては長襦袢のポリ絽は地獄です。もしかしたら誰かにツッコまれるかもしれないけれども(わたくしの近い親戚には美容関係理容関係が多くて、素人よりは知識がある)、本麻の長襦袢に絽の白半襟でごまかそうか。その方が圧倒的に涼しい。。。
などとちょっと迷っていましたが、結局、白いポリエステル絽の長襦袢に決めました。お通夜告別式が行われるのは田舎の緑多いそれまた田舎(大きくて便利な最新式火葬場付き斎場を、人里離れたところに地方自治体が建造した。新しくてキレイ。お坊さん神父さん神主さん等々、必要なヒトは各自が呼ぶ)、移動はすべてクルマ、東京のような暑さとは違うであろうと判断したのです。
準備万端。
お通夜当日は午後から夕立雷雨があって、お通夜が始まる前には止み、気温はこちらの期待どおりに涼しく下がりました。


 



エラく着崩れた感がありますがご容赦を。
そして、わたくしの実家の母撮影の、微妙なブレ感。
しかし彼女は、生まれて初めてデジカメを手にした老女なのです。あまり無茶振りしては気の毒だな~と思って黙って何枚かシャッターを切ってもらいましたさ。他のヒトに撮ってもらうのも場合が場合なだけに気が引けますしね

亡くなった叔父は仕事はもうリタイアしていましたが、顔が広く手広く地域活動もしていたので、参列者の多い盛大な葬儀になりました。和装の喪服は、わたくしだけでした。


いつも読んでいただいてありがとうございます。


https://fashion.blogmura.com/kimono/



喪服をいかなるときも和装で通すのは、結構ラクだと感じています。
洋服のブラックフォーマルに感じたストレス(デザインの好きずき似合う似合わないサイズの変化お値段)がない分、気持ちも穏やかです。
一番身近なご遺族方ですら誰もが洋装の、最近のお通夜告別式では、和装は目立ちますが、わたくしの親世代やそれ以上のお年ごろの方は、
「きちんとした姿で来てくださってありがとう」
と言ってくださいます。ご自分が比較的若いときはこの姿が当たり前で見慣れているせいもあるでしょうし、年を経てカラダのあちこちに若干ガタが来るとご自分は洋装の方がラクなのでしょう。
若い世代だと、「ニッポンの珍しい伝統」でも見るような感じでスルーしてくれます。
ありがたいことですね。




母の、基本的作品






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Comment

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たまさん

御愁傷様でございます。
お疲れは出ていませんか。

ブラックフォーマルを侮るなかれ!激しく共感いたします!!
喪服につきましてはちょっと苦い思い出があります‥
私の実家(富山)では喪服は嫁入り道具に持たせる家が多いので、何かのおりに私と妹の分を一緒に仕立てたのですが その 本当に直後と言ってもいいくらいのタイミングで母方の祖父が亡くなりました。
お仏壇を新調すると身内でそこに入ることになる人がでる、などという話を聞いたことがありましたが、喪服仕立て → 即着用 の図式に背筋が寒くなった記憶があります。
  • posted by てんてん 
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  • 2015.07/26 12:39分 
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No title 

長くなったので続きを‥すみませんm(__)m

嫁ぎ先の京都では 嫁入り道具に喪服を揃えるのは「義両親(特に姑)が早く亡くなるのを願っているように思われる」という風潮?があり 仕立てたとしても持って来てはいけないと言われました。
そして嫁いで半年後に姑が身罷り、5月でだれも単衣の喪服など持っていなかったこともあって親族で着る人(私、義妹)はレンタルを利用しました。
その時初めてレンタル着物というのを利用したのですが、足袋と肌着以外は全て揃えてくれるので クリーニング代や保管の苦労を考えると何て安くて便利なんだろうと(もちろんそれは葬儀社の特別料金ではあったと思うのですが)思いました。長々とごめんなさいm(__)m
  • posted by てんてん 
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  • 2015.07/26 12:42分 
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No title 

そう!!私もフォント大に叫びたい。ブラックフォーマル侮れない!!
で、長旅お疲れ様でした…。
それはそうと。ブラックフォーマルな子猫が家族になりました
うふふふふまだ先住猫とはケージ越しの対面です
  • posted by とん☆ 
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  • 2015.07/26 16:58分 
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ええ。おとろしいですわ。本当に。
太大字で叫ぶのもよく分かります。
私は喪服を持っていません。誂えるとなんだか何かが起こりそうな気がしてどうしても誂える気になれないんです。
いざと云う時にどないするんじゃ!と、親父が怒ってましたがレンタルがあるさ~とのらりくらりとしています。
それにしてもどうせ誂えるのなら和装がいいのかもしれないですね。
年も年ですし。
私もおーく損を徘徊してみようかな久しぶりに。
危険なトラップにかかららないように気を付けなければ。
  • posted by ほあかばりきるま。 
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  • 2015.07/26 19:03分 
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たまさん、こんにちは
ご不幸があったとの告知(?)がありましたので、喪服の記事があると思ってました。私も悩んでいる一人です。次の機会には長年タンスの肥やしになっていた喪服を着ようと(夏も冬もある~)思っていたら、友人が言い放ったのです。「嫁いだときのは小さくて着られない」。おーそうだった!!

友人は先にご両親を亡くしており、手持ちの喪服が小さいことを先に解っておりました。私だって例に漏れません(涙)。もはやそれは娘に着させて、自分のを探さねばなのです。オーク損は苦手ですし、はぁ~~いかがいたしませぅ~~~

>母の、基本的作品

水分を含んでたら危ないところでした・・・
  • posted by ふでぺん 
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  • 2015.07/27 11:14分 
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> てんてんさんこんにちは。どうもありがとうございます
冠婚葬祭、特に葬は地域差が大きいですね~。実家の方でも家によってずいぶん違うようですし、私は結婚のとき喪服を持たされましたが、持たされても着物は着ないひとも多いですしね~。
レンタルは便利ですよね!義妹が借りたのを見せてもらったんですよ。結構いいのが来ました。自分のとこが主催者なら特にお勧めできますわ。

。。。ちなみにウチでは、白い猫を飼うと身内に必ず急な死人が出る。一族は猫飼いが多いですが、みなさん白猫は避けてるみたいです
  • posted by たま 
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  • 2015.07/27 22:03分 
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kil**one*o97*24さまないすありがとうございます~
  • posted by たま 
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  • 2015.07/27 22:03分 
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> とん☆さま、どうもありがとうございます。
あら黒猫さん?それは素敵ーーー
フレンドリーだといいなあ。今度見せてね~。
  • posted by たま 
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  • 2015.07/27 22:06分 
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> ほあかばりきるま。さま。おーく損には1000円くらいで新品が出てますわ~。単衣は難しいけれども、袷はラクに見つかりますよ。家紋は合いませんけどね
案外実の親の「もしもの時」は着るものに悩む必要がないのですわ。それこそレンタルでいいのだし。私が困るのは、知り合いの場合です。そのための和装喪服。もう洋服を選んで買うのが大変で大変で
  • posted by たま 
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  • 2015.07/27 22:15分 
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内緒さま。確かに、秀逸(爆)
  • posted by たま 
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  • 2015.07/27 22:18分 
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みっこちゃんないすありがとうございます~
  • posted by たま 
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  • 2015.07/27 22:19分 
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> ふでぺんさんこんにちは。
私が行く最近のお通夜告別式では、ご遺族さまもみんな洋装です。着物を着てるのは私だけだったりする。私はそれしかないし実用的だから着てますが、着物好きさんが和装の喪服を着なかったら、今後絶滅するな、と思いますわー。
小さくなった着物、元々はとてもいいものなのでしょうから、自分サイズに脇出しだけ直しを頼むのも現実的かも。特に袷は。私ならそうしますわー。だってスマートな若いお嬢さんサイズならリサイクルで見つけやすいでしょ?
  • posted by たま 
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  • 2015.07/27 22:32分 
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とめ吉さまないすありがとうございます~
  • posted by たま 
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  • 2015.07/27 22:33分 
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たまさん、な~~る~~ほ~~ど~~~~です!
いずれにせよ、一度出して確かめて見ねば。私も婚家の親類の葬儀に良く出るのですが、お着物を着て見える方は皆無です。あぁ、考えたら十数年前やけど義父の時に着て大丈夫やったから、大丈夫かもしれんです。上手く誤魔化せば。。。
  • posted by ふでぺん 
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  • 2015.07/28 08:29分 
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若い娘っ子のころから数十年を経て、体型も大化けすることを考えれば、喪服は着物の方が経済的ではありますね。
しかし!!ワタクシの田舎ではなぜか和服は亡くなった人の近しい親族しか着ないという地元ルールがあり、友人知人の場合、なんとなくちゅうちょすることも多いわけです。
色喪服という感覚もあまりなく、近年は冠婚葬祭すべてブラックフォーマルで通す人も増えてきました。
なんとなく寂しいというか、つまんないものです。
私も100歳超えの祖母がおり、いつなんどきということで心づもりだけはしてありますが、まだまだ元気でいてほしいので、あえて喪服の風通しをしたりします。
  • posted by 羽衣 牡丹 
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  • 2015.07/28 17:08分 
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> 羽衣 牡丹さま。嗚呼、冠婚葬祭地元ルールそういうのありますよねー。人口の出入りが多いとルールも緩むのですけれどもね。ウチの方ではもう喪主すら着物を着ませんわ。
100超え素晴らしーい。どうぞお健やかに
  • posted by たま 
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  • 2015.07/29 23:17分 
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> ふでぺんさんこんにちは要不要ではなく、新しい何かが欲しい!そーいう気持ちは誰にも止められませんわ丁寧なお直しは気持ちがいいけれども、新鮮さには欠けますもんね。
  • posted by たま 
  • URL 
  • 2015.07/29 23:20分 
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ペンちゃんさまナイスありがとうございます。
  • posted by たま 
  • URL 
  • 2016.04/19 21:35分 
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