2015.03/27 [Fri]
遺品整理『きもの』ディレクターズカット版
ごきげんよう


パソコンの天気予報を見ると、今日(金曜日)最高気温20℃っつーんですよ、奥さん。
昨日(木曜日)は都心の大学病院の定期診察の日でしたが、すっかり桜が咲いてましたしね。
春ですな。
こんなうららかな春の日。。。うっかり外に出たら死にそう。わたくしはもちろん引きこもってます。
さて、2月初頭からかかりきりだった、遠くて近いかも?な親戚匿名希望さんの遺品整理も、佳境を迎えました。もうすぐ匿名希望さんの100ヵ日法要。。。そのとき納骨されるそうです。
5LDKプラス3納戸にぎっしりのお洋服やバッグに驚かされ呆れさせられ、ただただ空間をキレイにあけるためにひたすら片付けてきたわたくしたち(わたくし&義妹(夫の実妹)&友人★)でしたが、やっとこさ努力が身を結んで、着物は広い和室プラス縁側全体を使って、ゆっくり仕分けできました。人生に於いて努力が報われることなどはない、と言い切っていいくらいですが、たまにこんな風に報われることもございます。それこそ人生いろいろですわね、奥さん。
そうして、匿名希望さんの着物類全部を見渡してみたら。。。やっぱりそこにも人生がありました。
小さい画像ですが、大雑把に解説したいと存じます。
こちらの着物は、前にご紹介しています。
左上から右へ、
白い紋綸子地に扇柄の小紋。扇の大きさは1センチほど。全体に散らしてあります。
切りばめの江戸小紋単衣。臙脂色。麻の葉・市松・アラレ・行儀・鮫等々。
グレイ濃淡葉っぱの柄のろうけつ染め小紋。たくさん着たらしくシミだらけでした
緑色ちりめん地唐花柄小紋。
朱色地に黒で糸巻き柄が埋められた小紋。大きさ5センチほどの糸巻きがぎっしり。
黒地に白の傘柄小紋。大きさ3センチほどの傘がぎっしり。
くれない色地総絞り小紋。
ひび割れた風の雲柄のお召。
そうしてこの画像を見たべにお先生から、
「ウチの母親の持ってる着物にそっくり!」
とお知らせいただいたのでした。
なるほど、べにお先生のところでお母さまからいただいたという着物類を拝見すると、テイストが似ているようです。匿名希望さんとべにお先生のお母さまは年齢がかなり違うので、同世代の好みとはいいにくいのですが。。。
同じく左上から右へ、
白地紋綸子地に貝合わせと貝入れの小紋。柄はほぼ墨色1色。
水色梨地に丸で古典柄を飛ばした小紋。元は違う色柄だったらしく、染め直した形跡があります。型染めの色がズレてる
。染め直した後は着なかったらしく、しつけ糸付き
。染め直しあるあるですね
。
黄色がかったベージュ色地に慶長風に柄を埋めた小紋。オリエンタルな雰囲気。
黒地に多色の墨流し風柄ゆきのマジョリカお召。
灰色がかった緑色地切りばめで抽象柄が染められた小紋。お気に入りだったらしくたくさん着られた様子がありました。しまい込まれた期間に浮いて来たシミ汚れが大きい。
濃紺地に濃い赤の麻の葉絞り柄小紋。
黒地ちりめん地に水色系の蝶柄小紋。深みのあるいい色目でしたが、残念ながらシミが多かった。
黒と赤の縞柄小紋。雨コートかと思いましたが、広げて見たら、違った。そんな誤解も最もな色柄ですわ。着物として着たら、どうなんだろう。。。?
濃くくすんだ緑色の地に御所人形の柄小紋。御所人形は大きさ3センチほど。
白地に平安絵巻風風景柄小紋。
薄グレイ地に流水とエメラルド色の蝶の柄絽の訪問着。しつけ付き未使用。
焦げ茶とターコイズと赤茶色の幾何学柄小紋。
濃いペパーミント色梅柄地紋に梅柄の訪問着。
ピンク色ちりめん地に傘の柄小紋。傘の大きさは5センチほど。
こういう型染めの小紋が妙に目につくんですけれども。そういうデザインの軽い小紋がたくさん販売された時期があったらしいですね。高度成長期やろか???
ピンクっぽい藤色地に秋草と鴛鴦柄の絽の訪問着。しつけ付き未着用。
京紫色檜垣地紋の綸子地に白い蝶柄訪問着。こちらの小さい画像では見にくいですが、アンティークっぽい京紫色が目立つ1品でした。江戸っこの京紫色は珍しい。柄付けは江戸っこらしく潔いですけどね~
匿名希望さんはどうやら蝶の柄が好きらしい。。。仕分けしながら、そろそろ感じ始めたころ。
匿名希望さんは若いころから日本舞踊をやってらした。
お稽古でさんざん着尽くした大量の浴衣は匿名希望さんのお母さまが何かに使いたかったらしく、別の場所にありました。
こちらのはほぼ未使用のもの、あまり着用していないもの。
すべて藍染め。
縦縞に木瓜(もっこう)紋らしき紋をアレンジした柄。
菱。正式名称あり?
蝶。
片身替わりで柳と流水。
扇面と流水。
何の花か不明。木瓜(もっこう)紋らしき紋をアレンジした柄が踊りの流派の柄なのかな?そーいうの詳しくないし調べる気もないのでどうぞご容赦を。
格子と扇面。
蝙蝠?
左上2枚は浴衣。
匿名希望さんの手持ちの着物は柔らかものがメインらしいのです。
珍しく紬っぽい普段着が出てきました。
黄味がかったベージュ地に短冊柄の紬。
白っぽい地に亀甲柄単衣。素材不明のしゃりしゃりした感触。
多色で細かく織られた薄手の単衣紬。全体を遠目で見るとくすんだピンク系に見える。
赤い花織風単衣。ウールか、ウール交織かもしれません。
白地に蚊絣の単衣。
レンガ色の無地紬。
どうやら、着物類はもう整理された後じゃないか。。。という気がしてきたころ。
整理して、着古したものなどは処分して、きちんと片付けられていたようなのです。
ご遺族さまの話では、匿名希望さんが着物をよく着ていたのはもう20年・30年以上前までのことだそうです。匿名希望さんの家族構成はサザエさんちに似ていて、同居のお父さまお母さまは匿名希望さんの方のご両親でした。わたくしの感触では、着物類は、匿名希望さんのお母さまが管理運営していたのだなあ。。。ということ。その肝心のお母さまは15年ほど前にお亡くなりでした。匿名希望さんはお母さまが亡くなって以降は、いっさい着物を着なかったようなのです。高齢でらしたお母さまが、自分の娘のためにあれこれ手を入れることができたのは亡くなるどのくらい前までだったか。そしてそれっきりまったく開けられることがなかったらしい桐の箪笥からは、匿名希望さんの意志よりも、お母さまの意志を強く感じました。
この段階でも、帯は1本も出て来なくて、肌着類も使いかけの半襟や襦袢類も、1枚もありませんでした。腰紐も伊達締めも、使いかけのものはまったくありません。
ない訳はないのです。襦袢がないと着られないのですもの。恐らく古く着古してとって置いてもしょうがないと判断されたものは、匿名希望さんのお母さまが処分したのですね。
続きます。
いつも読んでいただいてありがとうございます。


https://fashion.blogmura.com/kimono/



パソコンの天気予報を見ると、今日(金曜日)最高気温20℃っつーんですよ、奥さん。
昨日(木曜日)は都心の大学病院の定期診察の日でしたが、すっかり桜が咲いてましたしね。
春ですな。
こんなうららかな春の日。。。うっかり外に出たら死にそう。わたくしはもちろん引きこもってます。
さて、2月初頭からかかりきりだった、遠くて近いかも?な親戚匿名希望さんの遺品整理も、佳境を迎えました。もうすぐ匿名希望さんの100ヵ日法要。。。そのとき納骨されるそうです。
5LDKプラス3納戸にぎっしりのお洋服やバッグに驚かされ呆れさせられ、ただただ空間をキレイにあけるためにひたすら片付けてきたわたくしたち(わたくし&義妹(夫の実妹)&友人★)でしたが、やっとこさ努力が身を結んで、着物は広い和室プラス縁側全体を使って、ゆっくり仕分けできました。人生に於いて努力が報われることなどはない、と言い切っていいくらいですが、たまにこんな風に報われることもございます。それこそ人生いろいろですわね、奥さん。
そうして、匿名希望さんの着物類全部を見渡してみたら。。。やっぱりそこにも人生がありました。
小さい画像ですが、大雑把に解説したいと存じます。
こちらの着物は、前にご紹介しています。
左上から右へ、
白い紋綸子地に扇柄の小紋。扇の大きさは1センチほど。全体に散らしてあります。
切りばめの江戸小紋単衣。臙脂色。麻の葉・市松・アラレ・行儀・鮫等々。
グレイ濃淡葉っぱの柄のろうけつ染め小紋。たくさん着たらしくシミだらけでした

緑色ちりめん地唐花柄小紋。
朱色地に黒で糸巻き柄が埋められた小紋。大きさ5センチほどの糸巻きがぎっしり。
黒地に白の傘柄小紋。大きさ3センチほどの傘がぎっしり。
くれない色地総絞り小紋。
ひび割れた風の雲柄のお召。
そうしてこの画像を見たべにお先生から、
「ウチの母親の持ってる着物にそっくり!」
とお知らせいただいたのでした。
なるほど、べにお先生のところでお母さまからいただいたという着物類を拝見すると、テイストが似ているようです。匿名希望さんとべにお先生のお母さまは年齢がかなり違うので、同世代の好みとはいいにくいのですが。。。
同じく左上から右へ、
白地紋綸子地に貝合わせと貝入れの小紋。柄はほぼ墨色1色。
水色梨地に丸で古典柄を飛ばした小紋。元は違う色柄だったらしく、染め直した形跡があります。型染めの色がズレてる

。染め直した後は着なかったらしく、しつけ糸付き

。染め直しあるあるですね

。
黄色がかったベージュ色地に慶長風に柄を埋めた小紋。オリエンタルな雰囲気。
黒地に多色の墨流し風柄ゆきのマジョリカお召。
灰色がかった緑色地切りばめで抽象柄が染められた小紋。お気に入りだったらしくたくさん着られた様子がありました。しまい込まれた期間に浮いて来たシミ汚れが大きい。
濃紺地に濃い赤の麻の葉絞り柄小紋。
黒地ちりめん地に水色系の蝶柄小紋。深みのあるいい色目でしたが、残念ながらシミが多かった。
黒と赤の縞柄小紋。雨コートかと思いましたが、広げて見たら、違った。そんな誤解も最もな色柄ですわ。着物として着たら、どうなんだろう。。。?
濃くくすんだ緑色の地に御所人形の柄小紋。御所人形は大きさ3センチほど。
白地に平安絵巻風風景柄小紋。
薄グレイ地に流水とエメラルド色の蝶の柄絽の訪問着。しつけ付き未使用。
焦げ茶とターコイズと赤茶色の幾何学柄小紋。
濃いペパーミント色梅柄地紋に梅柄の訪問着。
ピンク色ちりめん地に傘の柄小紋。傘の大きさは5センチほど。
こういう型染めの小紋が妙に目につくんですけれども。そういうデザインの軽い小紋がたくさん販売された時期があったらしいですね。高度成長期やろか???
ピンクっぽい藤色地に秋草と鴛鴦柄の絽の訪問着。しつけ付き未着用。
京紫色檜垣地紋の綸子地に白い蝶柄訪問着。こちらの小さい画像では見にくいですが、アンティークっぽい京紫色が目立つ1品でした。江戸っこの京紫色は珍しい。柄付けは江戸っこらしく潔いですけどね~

匿名希望さんはどうやら蝶の柄が好きらしい。。。仕分けしながら、そろそろ感じ始めたころ。
匿名希望さんは若いころから日本舞踊をやってらした。
お稽古でさんざん着尽くした大量の浴衣は匿名希望さんのお母さまが何かに使いたかったらしく、別の場所にありました。
こちらのはほぼ未使用のもの、あまり着用していないもの。
すべて藍染め。
縦縞に木瓜(もっこう)紋らしき紋をアレンジした柄。
菱。正式名称あり?
蝶。
片身替わりで柳と流水。
扇面と流水。
何の花か不明。木瓜(もっこう)紋らしき紋をアレンジした柄が踊りの流派の柄なのかな?そーいうの詳しくないし調べる気もないのでどうぞご容赦を。
格子と扇面。
蝙蝠?
左上2枚は浴衣。
匿名希望さんの手持ちの着物は柔らかものがメインらしいのです。
珍しく紬っぽい普段着が出てきました。
黄味がかったベージュ地に短冊柄の紬。
白っぽい地に亀甲柄単衣。素材不明のしゃりしゃりした感触。
多色で細かく織られた薄手の単衣紬。全体を遠目で見るとくすんだピンク系に見える。
赤い花織風単衣。ウールか、ウール交織かもしれません。
白地に蚊絣の単衣。
レンガ色の無地紬。
どうやら、着物類はもう整理された後じゃないか。。。という気がしてきたころ。
整理して、着古したものなどは処分して、きちんと片付けられていたようなのです。
ご遺族さまの話では、匿名希望さんが着物をよく着ていたのはもう20年・30年以上前までのことだそうです。匿名希望さんの家族構成はサザエさんちに似ていて、同居のお父さまお母さまは匿名希望さんの方のご両親でした。わたくしの感触では、着物類は、匿名希望さんのお母さまが管理運営していたのだなあ。。。ということ。その肝心のお母さまは15年ほど前にお亡くなりでした。匿名希望さんはお母さまが亡くなって以降は、いっさい着物を着なかったようなのです。高齢でらしたお母さまが、自分の娘のためにあれこれ手を入れることができたのは亡くなるどのくらい前までだったか。そしてそれっきりまったく開けられることがなかったらしい桐の箪笥からは、匿名希望さんの意志よりも、お母さまの意志を強く感じました。
この段階でも、帯は1本も出て来なくて、肌着類も使いかけの半襟や襦袢類も、1枚もありませんでした。腰紐も伊達締めも、使いかけのものはまったくありません。
ない訳はないのです。襦袢がないと着られないのですもの。恐らく古く着古してとって置いてもしょうがないと判断されたものは、匿名希望さんのお母さまが処分したのですね。
続きます。
いつも読んでいただいてありがとうございます。


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- [非・生産活動に自信あり]
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お腹いっぱいになりますが、着物ジャンルだけでなく他のバッグやら洋服やらアクセサリーも片付けてらっしゃったんですものねぇ
私なら下す所まで行ってしまいそうです。本当にお疲れ様です。
たまさんには、染め直しした飛び丸柄のやつ、羽織にして来たら似合いそうと思います。
それにしても型染めビッチリ系が沢山ありますねー。
解いて繋いでシルクの肌掛け布団カバーなんて贅沢な事を
一瞬考えてしまった…