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まおじゃらん

着物と猫と、ときどき絵画。

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東京手描友禅作家さんの工房見学に行くざます

ごきげんよう






朝晩の冷え込み方はまだまだキビシイようですが(西の方では雪も降るのね!)。。。梅は満開、空は春霞が見られる、首都圏の今日このごろでございます。
この日は、先日の『染芸展』(東京手描友禅コンクール展示会)でもお会いした、友禅作家さんの工房をお訊ねしましたわ。
我が家からはクルマを出してもらうと思った以上にお近くで、わたくしはウチの夫(先祖は呉服屋前世は自称ドイツ系アメリカ人)にお願いして共に参りました。
今までも作家さんの工房というのは非常に興味があり、そういった特集を組む着物雑誌を舐めるように読んだこともございます。けれどもそれはそれ。現実にはわたくしには、某超有名ブロガーかん○ーびれさんのようなフットワークの軽さも人脈も熱意も(←ここ、重要)持ち合わせておりませんの。元来の人見知りと引きこもりと財布の軽さ(←ここ、重要)のおかげですわ。
それが、たまたま。。。このような機会がやってきました。
わたくしは黙って立っていただけですが、べにお先生の熱意と作家さんのノリで、急遽実現したのでございます。
作家さん=佐藤洋宜氏との出会いは偶然です。数年前、吉祥寺の帰りにふらふらしていて個展を見つけたのです。入ってみたら猫飼いの友禅作家さんだった。何故入ったのかはもう思い出せません。
手描き友禅の帯や着物。。。デパートのコーナーだったり呉服屋さんの展示会だったり、それなりに見たことはありますけれども、自分にはあまり縁があるとは思っていませんでした。緻密な線でちょっと変わった帯の絵を描く作家さんとはその後は、年に1回くらい?このような作品展でお会いして作品を拝見するだけで、そういう行為はわたくしやべにお先生にとっては、画廊や美術館に行く感覚そのものだったのです。








いただいたお名刺から、だいたいどの辺りかはすぐわかりました。
ウチの夫は地元の民なのです。
「小さいアパートです」
と伺っていたので、住宅地の中からそれらしい建物を探します。
。。。あった。
軽く築40年は経っていそうな物件です。
「へええ。。。」
とはいえわたくしはアパートの契約に来たのではありません。友禅の作業をするにはそこそこの広さが必要であろう、ご近所の手前、物音などが出るのであろうか、っつーかもしかしてわたくしは、友禅の作業工程がわかっているようでわかってないのかも知れん。とにかく目の前の古いアパートなのです。
昔懐かしい感じの鉄の階段(この階段は、後に要注意階段だと知る)を登って2階に行くと、作家さんの表札と商工会の鑑札がありました。
約束の時間、ちょっと前。
インターフォンを押すと、作家さんはわたくしたちを待っていてくれました。
。。。そこは、6畳の和室2部屋の続き部屋でした。
手前の部屋にはパソコン机が置かれて、モニターはヤフーのトップページです。他、本棚には様々な資料。あとの空間は、すっきり畳だけが見えます。奥の6畳間、壁を背にして、比較的大きめの机(座卓)が配置されて、机の上にはたくさんの取り皿と筆が並んでいます。今作業中の作品のための各色染料のようです。
印象としては、とても良く片付いた部屋。。。というよりも、作業する作家さんの好み作業のしやすさ重視で出来上がった空間なのでしょう。
ご自宅は工房の近くです。ここを借りて工房にしたのは、アパートは地元の道路計画に引っかかっているため、家賃激安なのだとか。実は隣の部屋も、壁ぶち抜きで5000円ほどの追加家賃で借りているそうな。
今年に限らず、『染芸展』の出品作品で最も目につくのは訪問着です。他にも、個人作家さんたちが製作するものは、訪問着が多い。会場に、仮絵羽にして展示される訪問着は、華やかで絵画のように見応えがありますわ。
呉服屋さんの展示会でも広く場所を取って着物を広げて展示しているのは訪問着や振袖。。。それは華やかさで客寄せになる宣伝性と、売れたら儲け幅が広い利潤性のため、だと思っています。そして呉服の展示会ではそれは間違いではないはず。作家さんが訪問着を作る理由は、利潤性プラス「作家としての表現の情熱」っつーか「芸術品を作るような感覚」っつーか、そういうものだと、考えていたのですが。。。
「いいえそういうんじゃないんですよねーーー。訪問着は、仮絵羽にしてから染めるので、1反の白生地を切ってから作業に入るでしょ。6畳ひと間で仕事ができて便利なんですよねーーー



。。。。。。。。。うそーーーーーーん


うそーーーん
うそーーーん



聞き手のショックを充分に配慮しながら、佐藤氏はなおも続けて爆弾を落とす。
「小紋にしたら、12メートル以上ピンと張れる長い部屋が必要じゃないですか。東京の住宅事情でそれはキビシイ」
「。。。お、帯は」(←どもった)
「帯は6メートルくらいだから、狭い部屋で済むんですよねー
」(←晴れやかな笑顔)
。。。この話はべにお先生と共に伺ったのですが、べにお先生イチオシのいい話(そうなのか!?)なのでこうして収録させていただきます。そういえばこのときわたくしは知人の画家を思い出しました。テンペラ画家奥秋由美さん。やはり小さな作品が多いのですが、「大きなものは描かないのか?」と伺ったわたくしに「小さい方が部屋で作業しやすいんですよね。額まで自分で作るし、大きいと部屋でやりづらい」。。。こういうことをさらりと言えるのが、プロがプロたる所以なのでしょう。プロに共通する、プロ魂を、ヘンなところで感じ入るわたくしでありました。

さて、わたくしがこちらを訪問したもう1つの目的は。



この染め名古屋帯の現物を見せていただきたかった。
モニターでは個々に色調の違いが出てしまいますが、できるだけイメージが伝わるように文章化してみますわー。
地は亀甲柄凹凸地紋で、比較的地が厚めです。しっとりと重さがある、いい絹です。染め帯にしては珍しい地のようです。色は鉄紺(てつこん。日本の伝統色から)が近い色目ですね。紺色じゃない藍色でもない、ニュアンスがあるこっくり濃い色を、部分的に横段に暈しを入れて染めています。すると画面に奥行きが出ます。上の画像で、地色が光っているように見えるところは、暈したところなのですわ。佐藤氏は、生地全体の染めもご自分でやります。(だからこそ、作業しやすいように反物は短く)
そしてお太鼓全体に伸びやかに広げた唐花文様


































白と黒の招き猫は四角の枠がひとつ当り手のひらより大きいサイズ。着せた着物や手持ちの細かいグッズ類に遊びがあります。お腹側の絵は2種類(画像失念!
)各各、白い招き猫と黒い招き猫。大きさも手持ちグッズも違えてあります。
気になる方がいらしたら、どうぞご連絡くださいませ。仕立てを済ませてお届けくださるそうです。

東京手描友禅作家:佐藤洋宜(ひろよし)
こちら。(←この作品展のホームページは少し古いデータです)
hiroyoshi-47☆mub.biglobe.ne.jp(☆を@に替えてください)

わたくしも招き猫柄の大島紬を持つ身、招き猫柄の染め帯にはいたく惹かれたのですが。。。佐藤氏は使い手の好みを形にしてくれる、絵づらやアイディア、レイアウト、色彩など、使い手と細かく話し合う過程でおもしろいものができるとおっさるのですわ。なのでわたくしは、オリジナルの帯をお願いすることにしました。帯の白生地の地紋ひとつでも、作品の雰囲気が変わっていくのだそうです。悩むなーーー♪どんな絵にしようかなーーーーー♪下絵ラフ描いちゃおうっと♡
もしかして、これがお誂え!?。。。お誂えと呼ぶには、わたくしの態度がどうもおこがましい感じなのですが。だってあんまり優雅な感じがしないもん。キャラのせいなのか。
でも。。。プロの友禅作家さんと、楽しい楽しい遊びができそうですよ。
ゆっち先輩!『水曜どうでしょう』帯も作れますよ!先達ゆっち先輩に続いていいですか。しぼんだ安田onちゃんなんて、欲しいかもよーーー。嗚呼、夢が膨らむわあ。。。(うっとり)
。。。その前に、帯代約15万円也を、どこぞで手配しないとね(苦笑)。出来上がってからでいいとおっさってくださいましたが。
頑張ります。


いつも読んでいただいてありがとうございます。


https://fashion.blogmura.com/kimono/


今現在、依頼されてらっさるという仕事はいくつか見せてもらいましたが、その中で、いつもと糊が違う技法の、夏の反物の画像を撮らせてもらいました。アンティークを復刻したりアレンジしたりも自由自在ですわ。
まあでも、わたくしはわたくしの欲望の方しか見ていないので、某有名着物ブロガーかん○ーびれさんのようなレポは期待できない(されてもいない)のであった。そんなんでいいよね?(爆)
そしてウチの夫とは、極小事務所の悲哀(佐藤氏、失礼
)について仲良く話し合ってました。


 

さておいとまするときに、外まで見送っていただいたのですが、
「この階段、降りるとき注意してくださいね」
と、佐藤氏がおっさる。
「はい」
と言いながらも、極々普通の鉄階段です。そのようにしか見えません。
すると、
「前に、夜、酔っぱらって上から真っ逆さまに落ちたんですよ。雨の日。滑っちゃって」
「え”

「誰も通りかからないし、血だらけだし、痛いし、淋しかったなーーー」
。。。おもしれーよ!!!
っつーか、無事で何よりでしたね。
飲み過ぎ注意、雨の日注意。それは鉄階段のせいではないような気がしております。



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Comment

No title 

やったね、たまさん!
素晴らしい…なんて素晴らしいレポートなのでございましょうか(笑)。
佐藤さんのオモシロ…気さくな人柄が充分ににじみ出ておりますわよ。
やっぱ、「訪問着は場所が狭くても染められるから」発言は、今あらためて読んでも笑えますわ。プロ…プロの発言であります、ええ。
そんでもって、やっぱこの帯はいいねぇ~♪ このふてぶてしい面構えといい、亀甲地紋といい、小道具の遊び心といい…ああ、染め帯でなければなぁ!(友禅作家さんが織の帯を作るはずがない)
たまさんがどんな帯を作っていただくのか、これまた後の楽しみが増えました♪
ああそうだ、ゆっち先輩はすでに「どうでしょう」帯をお誂えしていたんですもんね。やさぐれonちゃん帯とか作ったら、はま~たさんが狂喜乱舞しそうだわ(笑)。
そうかー、染め帯ってそういう楽しみ方もあるのねー。ぐぐぐ…でも染め帯苦手…しくしくしく。
  • posted by べにお 
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  • 2015.03/12 20:14分 
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No title 

たまさん、こんばんは。
おーー招き猫の模様ーーー!たまさんの招き猫紬に驚いたばかりですのに帯!作家さんですか!興味あります~~(買えないけど)

6畳一間で仕事が出来るから。。。なるほどなるほどぉ、素人には全く想像も出来ませんでした。その道その道の事情があるんですねぇ。

オリジナルの帯をお作りになるのですか?!それは面白いっ
下絵から帯が出来上がるまでの記録も楽しみですぞー
  • posted by ふでぺん 
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  • 2015.03/12 21:43分 
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No title 

確かに衝撃的な発言ですね。
都会で作業をするのにはスペースも重大な問題なんですね。
田舎ならどど~んと広い工房を構えられるんでしょうけれども。
たまさんがどんな帯をつくってもらう(というよりも参加しての作成って感じになるんですね)のか興味津々。
完成が待ち遠しいですね。楽しみです~♡
  • posted by ほあかばりきるま。 
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  • 2015.03/13 06:39分 
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No title 

> べにお先生、私としてはやはりこの帯は、色目といい絵づらといい、べにお先生の方がハマると思いますけどね。佐藤さんはとてもお酒好きそうですから意気投合できそうですよ。この際染め帯苦手を乗り越えてみてくださいな(爆
  • posted by たま 
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  • 2015.03/14 01:04分 
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No title 

kil※※one※o97※24さまないすありがとうございます~
  • posted by たま 
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  • 2015.03/14 01:07分 
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No title 

> ふでぺんさんこんばんは。
染めの招き猫柄はそんなに珍しくないですが、作家さんものは個性が出ておもしろいです~。
(自分としては)禁断だったお誂えに着手。もうどうなることやら。
  • posted by たま 
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  • 2015.03/14 01:19分 
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みっこちゃんないすありがとうございます~
  • posted by たま 
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  • 2015.03/14 01:19分 
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> ほあかばりきるま。さまなんかね、いい味付けのキャラ発見!って感じで。で、友人からは「取り皿じゃなくて溶き皿だろう美術科のくせに」と鋭くツッコミも入りまして、佐藤さんにはホンットにホンットに申し訳ないこうなったらおもしろいものが作りたいなあ。。。と夢も膨らみます。頑張ろー。
  • posted by たま 
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  • 2015.03/14 01:25分 
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りおんさまないすありがとうございます~
  • posted by たま 
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  • 2015.03/14 01:26分 
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No title 

アパート2部屋ぶち抜きで、工房にされているなんてそういう手がありましたか!!都会ので色々と工夫されているお話、興味深いです~~
  • posted by とん☆ 
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  • 2015.03/14 08:50分 
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No title 

たまさま、こんにちは。グイグイマダムに続いてまたもや素敵なレポートをありがとうございます。作業場の都合で絵羽柄の制作だなんて、工房って目がアットマークになるような工夫(?)があるのですね。
  • posted by mura 
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  • 2015.03/14 19:06分 
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No title 

ヒューヒュー!!
出来上がりが楽しみです。
羽織りを作られたブログを読んで、またまた、脳内コメントをしていたら、ブログがいっぱい更新されてました。(泣)
私、去年10月に分不相応にも羽織りを注文してしまっていました。
お金の事を考えると気持ちが沈んでいくのですが、突っ走ってしまいました。(笑)
廣瀬雄一さんの江戸小紋で賽子柄です。
合わせの羽織り持っていなかったので、裏付けました。
裏はディレクター陣がバックを作った岡重にしました。
でっかいサイコロとかダルマにしたかったのですが、探して貰ってもありませんでした。
まだ仕上がってませんが、こちらはまだまだ合わせ着ること出来るので大丈夫です。
身の程知らずの自分が、欲望に負けて情けないだけです。
  • posted by ゆっちのハハ 
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  • 2015.03/17 12:44分 
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> muraさんこんにちは。一般的(役に立つ?)レポは他所さまにお任せ、局地的レポばかりで、それも喜んでいただけてホントに申し訳ないけど嬉しいですーーー訪問着を作るのは作業スペースの関係だと!まるでそれだけのように言い放った佐藤氏、素晴らしくいいキャラです~。
  • posted by たま 
  • URL 
  • 2015.03/17 19:04分 
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No title 

> ゆっち先輩!まだ絵柄も決めておりません!しばらくお待ちください!
。。。で、サイコロ柄の羽織、ですってーーー!?どーしよ。。。それ、素敵ですね。
北海道は袷の期間が長いですもんね。たくさん着られます。作ってオッケー!お金のことを考えると私も穏やかではいられないので、お気持ち良くわかります。今年、私たちは北海道に行けないのだけれども、ナックスは芝居がありますからね~。
で、画像は例のごとくPCによろしくお願いします。ゆるキャラといっしょでも構いません(爆)
  • posted by たま 
  • URL 
  • 2015.03/17 19:11分 
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No title 

sorasoraさまないすありがとうございます~
  • posted by たま 
  • URL 
  • 2015.03/17 19:11分 
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No title 

> たまさま
あの・・・すみません、muraは先日初コメントさせていただいた村すずめです。Yahooのニックネームは半角文字で登録することになってるのでmuraにしたのでした。すっかり忘れていまして、そちらが表示されたようです。きっと馴れ馴れしいとお思いだったでしょう//////コメントしていない記事も楽しく読んでおります。それでは
  • posted by 村すずめ(mura) 
  • URL 
  • 2015.03/17 21:59分 
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No title 

> 村すずめさま、もちろん存じてましたよこちらこそごめんなさい。書き込みされた時のお名前でお返事することにしているのです。気にさせてしまってホントにごめんなさい~。次からどちらのHNでも村すずめさまにお返事させていただきます~。
どうぞいつでもお立ち寄りくださいませ
  • posted by たま 
  • URL 
  • 2015.03/17 22:17分 
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