2014.10/21 [Tue]
恒例・友人★のお茶事着物と劣化のお話
ごきげんよう


夕方には、夕陽が拝めましたわ@首都圏西部。
先日、大寄席のお茶会がありましたの、奥さん。
わたくしの友人★のこの日のお役目は、薄茶席ひとつと、お運びと、水屋でお茶碗洗い。
忙しーーーーい。
更に、都心で行われる大寄席のお茶会なので、お席造りのための荷物(掛け軸やら)も先生から預かっています。こうなると何が何でも、会場に決まった時間までに行かねばならない。
キビシーーーイ。
友人★とは、「朝5時に、ケータイに電話して寄越す」約束ができていました。
前夜の晩ご飯の腕をふるってくれたべにお先生は、その後、「どうでしょう本」を読みふけりつついつしか就寝してらっさいましたが。。。★からの電話が入るより前、なんと朝4時30分に、自然にお目覚めでした。毎日毎日、猫目覚ましに起こされている習慣が、きっちり身についているらしい。
べにお先生ってば猫さまに教育的指導を受けて、その期待通りに成長してる。。。
。。。べにお先生んちの猫さまたちは、時間にキビシイなあ。。。するとべにお先生曰く、
「わたしの職業上でも、時間通り時間に沿った生活になるんですよね」
。。。ウチはご飯の時間も寝る時間も決まってない、年中時差ボケのような生活です(だから海外に行っても帰っても時差ボケの経験がない)。べにお先生とは真逆な生活態度なのでした。飛影王子も八雲氏もびっくりですわ。
とりあえずコーヒーを入れて、ひと息。友人★からの連絡を待ちました。
外はまだ、真っ暗です。

薄紅色(うすくれない)と蘇芳色(すおう)の間のような色目の色無地。ひとつ紋を日向紋で入れています。(色名は『日本の伝統色』から)
金糸銀糸を交えて織られた天格子の袋帯。色目は納戸色(なんどいろ)黄檗色(きはだいろ)薄紅色青竹色(あおたけいろ)。。。らしき色が薄くぼかされたグラデーション。お茶事はもとより、黒留袖色留袖にも使える、格の高い帯です。もちろん訪問着や付け下げに締めて、全体に着物の格を上げることもできます。
抹茶色×黄土色ぼかしの帯揚げ。紫色の飛び絞り柄。秋を意識した色調を投入して、少し気分を変えました。
ベージュ濃淡の帯〆。
半襟・足袋は白。








夕方には、夕陽が拝めましたわ@首都圏西部。
先日、大寄席のお茶会がありましたの、奥さん。
わたくしの友人★のこの日のお役目は、薄茶席ひとつと、お運びと、水屋でお茶碗洗い。
忙しーーーーい。
更に、都心で行われる大寄席のお茶会なので、お席造りのための荷物(掛け軸やら)も先生から預かっています。こうなると何が何でも、会場に決まった時間までに行かねばならない。
キビシーーーイ。
友人★とは、「朝5時に、ケータイに電話して寄越す」約束ができていました。
前夜の晩ご飯の腕をふるってくれたべにお先生は、その後、「どうでしょう本」を読みふけりつついつしか就寝してらっさいましたが。。。★からの電話が入るより前、なんと朝4時30分に、自然にお目覚めでした。毎日毎日、猫目覚ましに起こされている習慣が、きっちり身についているらしい。
べにお先生ってば猫さまに教育的指導を受けて、その期待通りに成長してる。。。

。。。べにお先生んちの猫さまたちは、時間にキビシイなあ。。。するとべにお先生曰く、
「わたしの職業上でも、時間通り時間に沿った生活になるんですよね」
。。。ウチはご飯の時間も寝る時間も決まってない、年中時差ボケのような生活です(だから海外に行っても帰っても時差ボケの経験がない)。べにお先生とは真逆な生活態度なのでした。飛影王子も八雲氏もびっくりですわ。
とりあえずコーヒーを入れて、ひと息。友人★からの連絡を待ちました。
外はまだ、真っ暗です。

薄紅色(うすくれない)と蘇芳色(すおう)の間のような色目の色無地。ひとつ紋を日向紋で入れています。(色名は『日本の伝統色』から)
金糸銀糸を交えて織られた天格子の袋帯。色目は納戸色(なんどいろ)黄檗色(きはだいろ)薄紅色青竹色(あおたけいろ)。。。らしき色が薄くぼかされたグラデーション。お茶事はもとより、黒留袖色留袖にも使える、格の高い帯です。もちろん訪問着や付け下げに締めて、全体に着物の格を上げることもできます。
抹茶色×黄土色ぼかしの帯揚げ。紫色の飛び絞り柄。秋を意識した色調を投入して、少し気分を変えました。
ベージュ濃淡の帯〆。
半襟・足袋は白。





ところで、毎回毎回お茶事のたびにわたくしが友人★宅に出向くのを不思議に思ってらっさる方もいらっさるかもしれません。
もう20年くらい前になるか、友人★が着物に気持ちが向き始めた頃(当時若くてイケてた友人★は、好きな男性と好きな球団を応援しに行くデートのために、浴衣を自分で着られるようにしたかった)、「コレは良いチャンス
」とばかりに、着物の着方帯の結び方着物の管理などなどを教えていったのでした。わたくしのお手伝いをして欲しかったんですよ。
わたくしは別に、着物に関係した仕事をしていた訳でもしたかった訳でもありません。着付けを習いに行ったのは自分で好きに着られるようになるためだったし、着物の生地や織りや染め・産地などに比較的詳しくなったのは若かったときに展示会などにやってくる産地のオジサン(って呼んでいいのか)たちが面白がって親切懇切丁寧に教えてくれたから。
ただ、自分で自分の背中に帯結びがキビシイときとか、自分がどんなコーディネートにしようか迷ったときとか、新しい着物を作るときとか。。。わたくしの着物相談相手になって欲しかったのです。
友人★にはほぼ1年間かけて、着物の種類と帯の種類・浴衣と半幅帯の着方・長襦袢の着方半襟の付け方・小紋に名古屋帯の結び方・訪問着に袋帯・最終的に振袖を自装するまで教えましたが。。。人間というのは、日々繰り返さないと忘れる生き物でございます。★は自前の振袖を自装して友達の結婚式に出席するまでに成長し、その後、すみやかに忘却したのでした
。
もちろん友人★は、紬や小紋でお出掛け名古屋帯でお出掛けは自分でできます。日々の生活に於いて、楽しみで着物を着る繰り返しはそこまでが限度でした。そうして年に数回のお茶事での略礼装・二重太鼓の結び方は霞の彼方。。。じっくり覚えなおす時間はあまり残されておりません。
っつー訳で、着物の道に引きずり込んだわたくしがアフターケアも兼ねて、早朝出張着付けを承っているのでした。
友人★が日頃からあらゆることで、わたくしのいいアドバイザーいい相談相手なのは言うまでもありません。ウチからは徒歩5分以内に住んでもらってるしね
。
いつも読んでいただいてありがとうございます。


https://fashion.blogmura.com/kimono/
さて、わたくしの友人★には、「これだけは何が何でも駄目ーーーー」というこだわりがございます。
それは『劣化』。
キーワードは『劣化』。
さて10月に入ったとある先日、友人★はチョコレートと名付けたお気に入りのお召でひとり、お出掛けの予定でした。(そのときのコーディネート記事は
こちら)
普段のちょっとしたお出掛け着物だし(名古屋帯だし)、わたくしは着付け役の必要もありません。友人★は、着物を着ていくと入場料が500円引き。。。というある舞台を観に行くことになっていたのです。
舞台が始まる時間を逆算しつつ、せっせと着物を着ていると。。。ビリ。。。おや?何やら不穏な音がします。友人★は、全身が写る鏡に、背中をそっと向けてみました。
「




」
縫い目が、裂けてるんですよ、奥さん!!!
チカラを入れ過ぎたかしら???
っつーか、これ、どうすればいいかしら???
「落ち着けーーーー落ち着けーーーー」
チョコレートお召は、もう15年近く前、友人★が惚れ込んで、神戸のリサイクル業者で購入した愛着あるブツでございます。胴裏の黄ばみ加減を見ても、これが昭和30年代か40年代に作られたものであることを物語っていました。
それが、今、この重要な時に、「縫い糸が劣化して切れた」のです。
「おーまいがっ
」
しかし急な手当をしてくれる(はず)のわたくしはいません。
友人★は、やけくそになりながら、とりあえずお太鼓を高めに結びました。
。。。。。。セーフ。
裂けた背中心は、帯の下に隠れました。
よーーーし、これで今日はひとまずオッケー。
焦ったけれども、何とか着られました。家を出る予定時間を過ぎてしまいましたが。。。まだコートの季節でもなく、帯付き姿で出掛けました。
着付け時のトラブル、っつーか衝撃は案外大きかったらしく、思ったよりも遅刻してしまいましたが、何とか舞台を観ることはできました。そうしてぶらぶら、街を彷徨っていたら。。。アラ、すーすーするわ、何故?冷えてきたのかしら。。。
ふと、自分の着物の振りを見て。。。あれまびっくり!!!
いつの間にか袖の縫い糸が切れて縫い目もほどけ、着物の袖は、ただのひらひらする布がぶらさがっている状態に成り下がっておりました。





試練という試練が、友人★に襲いかかったのです。
『劣化』この恐ろしいもの。
その日、友人★は、半壊の着物を着て、渋谷の街を彷徨ってましたのさ、奥さん。ドラマだねえ。

目眩がした。
もうどうしたらいいのーーー?
元々が心配性で小心者の友人★、ホントは心臓ばっくばくでしたよ。
でも。。。とことん追いつめられると、我らの★は、めっちゃ強くなるのでした。腹が座ってビクともしなくなるのです。
「袖が切れてるのなんか、どうせ誰もわかるまい!」
と一旦覚悟を決めてしまえば、どこに行っても平気です。
友人★は、そのとき渋谷パルコで開催中の『水曜どうでしょう小祭』をのぞきに行きましたよ。
入場チケットは発売時即時完売だったのでわたくしたちには手に入らず(でもよく考えれば、昨年の、札幌での祭りに全日程参加したのだから、そこまで欲張らなくてもいいであろう。。。と、ちょっと自戒した)、展示会場やどうでしょうカフェは諦めるしかなかったのですが。
それでも友人★は、限定グッズも販売されるショップで、お土産も買って来てくれた。
ありがとうありがとう、友人★。
きみの、その尊い犠牲を忘れない。
もう20年くらい前になるか、友人★が着物に気持ちが向き始めた頃(当時若くてイケてた友人★は、好きな男性と好きな球団を応援しに行くデートのために、浴衣を自分で着られるようにしたかった)、「コレは良いチャンス

」とばかりに、着物の着方帯の結び方着物の管理などなどを教えていったのでした。わたくしのお手伝いをして欲しかったんですよ。
わたくしは別に、着物に関係した仕事をしていた訳でもしたかった訳でもありません。着付けを習いに行ったのは自分で好きに着られるようになるためだったし、着物の生地や織りや染め・産地などに比較的詳しくなったのは若かったときに展示会などにやってくる産地のオジサン(って呼んでいいのか)たちが面白がって親切懇切丁寧に教えてくれたから。
ただ、自分で自分の背中に帯結びがキビシイときとか、自分がどんなコーディネートにしようか迷ったときとか、新しい着物を作るときとか。。。わたくしの着物相談相手になって欲しかったのです。
友人★にはほぼ1年間かけて、着物の種類と帯の種類・浴衣と半幅帯の着方・長襦袢の着方半襟の付け方・小紋に名古屋帯の結び方・訪問着に袋帯・最終的に振袖を自装するまで教えましたが。。。人間というのは、日々繰り返さないと忘れる生き物でございます。★は自前の振袖を自装して友達の結婚式に出席するまでに成長し、その後、すみやかに忘却したのでした

。
もちろん友人★は、紬や小紋でお出掛け名古屋帯でお出掛けは自分でできます。日々の生活に於いて、楽しみで着物を着る繰り返しはそこまでが限度でした。そうして年に数回のお茶事での略礼装・二重太鼓の結び方は霞の彼方。。。じっくり覚えなおす時間はあまり残されておりません。
っつー訳で、着物の道に引きずり込んだわたくしがアフターケアも兼ねて、早朝出張着付けを承っているのでした。
友人★が日頃からあらゆることで、わたくしのいいアドバイザーいい相談相手なのは言うまでもありません。ウチからは徒歩5分以内に住んでもらってるしね

。
いつも読んでいただいてありがとうございます。


https://fashion.blogmura.com/kimono/
さて、わたくしの友人★には、「これだけは何が何でも駄目ーーーー」というこだわりがございます。
それは『劣化』。
キーワードは『劣化』。
さて10月に入ったとある先日、友人★はチョコレートと名付けたお気に入りのお召でひとり、お出掛けの予定でした。(そのときのコーディネート記事は

こちら)
普段のちょっとしたお出掛け着物だし(名古屋帯だし)、わたくしは着付け役の必要もありません。友人★は、着物を着ていくと入場料が500円引き。。。というある舞台を観に行くことになっていたのです。
舞台が始まる時間を逆算しつつ、せっせと着物を着ていると。。。ビリ。。。おや?何やら不穏な音がします。友人★は、全身が写る鏡に、背中をそっと向けてみました。
「





」
縫い目が、裂けてるんですよ、奥さん!!!
チカラを入れ過ぎたかしら???
っつーか、これ、どうすればいいかしら???
「落ち着けーーーー落ち着けーーーー」
チョコレートお召は、もう15年近く前、友人★が惚れ込んで、神戸のリサイクル業者で購入した愛着あるブツでございます。胴裏の黄ばみ加減を見ても、これが昭和30年代か40年代に作られたものであることを物語っていました。
それが、今、この重要な時に、「縫い糸が劣化して切れた」のです。
「おーまいがっ

」
しかし急な手当をしてくれる(はず)のわたくしはいません。
友人★は、やけくそになりながら、とりあえずお太鼓を高めに結びました。
。。。。。。セーフ。
裂けた背中心は、帯の下に隠れました。
よーーーし、これで今日はひとまずオッケー。
焦ったけれども、何とか着られました。家を出る予定時間を過ぎてしまいましたが。。。まだコートの季節でもなく、帯付き姿で出掛けました。
着付け時のトラブル、っつーか衝撃は案外大きかったらしく、思ったよりも遅刻してしまいましたが、何とか舞台を観ることはできました。そうしてぶらぶら、街を彷徨っていたら。。。アラ、すーすーするわ、何故?冷えてきたのかしら。。。
ふと、自分の着物の振りを見て。。。あれまびっくり!!!
いつの間にか袖の縫い糸が切れて縫い目もほどけ、着物の袖は、ただのひらひらする布がぶらさがっている状態に成り下がっておりました。





試練という試練が、友人★に襲いかかったのです。
『劣化』この恐ろしいもの。
その日、友人★は、半壊の着物を着て、渋谷の街を彷徨ってましたのさ、奥さん。ドラマだねえ。

目眩がした。
もうどうしたらいいのーーー?
元々が心配性で小心者の友人★、ホントは心臓ばっくばくでしたよ。
でも。。。とことん追いつめられると、我らの★は、めっちゃ強くなるのでした。腹が座ってビクともしなくなるのです。
「袖が切れてるのなんか、どうせ誰もわかるまい!」
と一旦覚悟を決めてしまえば、どこに行っても平気です。
友人★は、そのとき渋谷パルコで開催中の『水曜どうでしょう小祭』をのぞきに行きましたよ。
入場チケットは発売時即時完売だったのでわたくしたちには手に入らず(でもよく考えれば、昨年の、札幌での祭りに全日程参加したのだから、そこまで欲張らなくてもいいであろう。。。と、ちょっと自戒した)、展示会場やどうでしょうカフェは諦めるしかなかったのですが。
それでも友人★は、限定グッズも販売されるショップで、お土産も買って来てくれた。
ありがとうありがとう、友人★。
きみの、その尊い犠牲を忘れない。
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- [茶道・お茶事の記録と着物]
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で朝早くからの着付け素晴らしいです。若々しく上品に着付けてらっしゃる。さすがです。😄🎃