2014.10/07 [Tue]
色無地の色掛けBefor→After
ごきげんよう





台風は昼頃通り過ぎました@首都圏。
友人★には、とーってもお気に入りの色無地がありました。
若くて活きのいいときにリサイクルで購入したブツですが(当時7000円くらいだった)。。。お茶を習い始め、お茶事でたくさん着て、充分元は取ったと言い切れる着物です。
色目はプラスチックピンク。
そう、プラスチック製品などでよくある、光沢のないマットな感じの真っピンクでしたわ。
わたくしは今まで、着物屋さんで実際に、あのような真っピンクを見たことがございません。
ピンク色の色無地はよくありますが、普通はもっとニュアンスがある、っつーか若干くすませたものが多いので、この色無地は実は、ありそうでない、割と珍しい色目だったと思います。
地紋は菊唐草で、生地も重くて良いものでした。

ここで、画像をお見せしたいところですが、探しても探しても、この色無地の画像が見つからないのよ、奥さん。
どうやらわたくしは、肝心の色無地の元画像を残していなかったらしいの
抜かりありだわ。



フォトショップで色を作ると、こんな感じ。
モニターによって見え方は若干違うと思いますけれど、ガイドにしてください。口紅などで言うなら、若干青みと白みのあるピンク色が近いか。っつーか余計わかんないか。
で。。。ふと秋風が吹くお年頃になって、そろそろこの色目がキビシく感じられた友人★は、さんざん考えて、色掛けすることにしたのでした。
色掛けとは。。。元の色はそのまま、その上から新たに染料で染めることですわ。昔むかーし、着物が比較的よく着られた時代には、若いときの色や薄い色に新たに色を掛けて、雰囲気を変えたそうですが。。。正絹の着物地が今よりもずーっと高価で貴重だったから、なのでしょう。そのように聞きました。
元の着物を洗い張りして色を掛けて、仕立て直すと、安い色無地なら新しいのが買えるくらいのお値段になります。今回は約3万円くらい(正確なお値段覚えてない)でした。
新しいのに買い替えても良かったのに、敢えて色掛けしたのは、若いときからのお気に入りのこの色無地の、地紋がとーっても気に入っていたからです。色無地の地紋は案外大切なもので、かなり目立ちます。友人★はお茶事で着ることが多く、お茶事では大勢の社中さんたちと並ぶので、地紋の違いが着物の違い。やっぱりそこにはこだわりたかったのでした。
さてそうなると、このプラスチックピンクに、どんな色を掛けるかが大問題です。
着物問屋さんで、小さな色見本を元に考えるのですが、それ以前に、友人★にはどんな色がいいか、どんな色ならこの先ずっと着られるか、アタマを悩ませましたわ。
当初は一番左、少し明るめの焦げ茶がいいのでは。。。と思えました。
肌に合わせて見ると、一番右くらいの焦げ茶の方がしっくりきそうでした。
染め見本で探すと、真ん中くらいの色がありました。
ただ、白生地に染めるのではないので、元のプラスチックピンクがどのように影響するのか予測できません。これが、色掛けの難しいところです。薄い色目だと、地の色の影響が大きいらしいのです。
なので、色掛けは、薄い色目から濃い色目にするのが一般的です。
元の地色がピンク系なので、仮に上に乗せる色がブルー系ならば紫色が感じられそうだし、仮に上に乗せる色がグリーン系だと補色に近くなるので緑色がはっきりしないかもしれない。。。などなど、担当さんともいろいろ話し合い、振れ幅が思った以上に大きいらしいのを覚悟して、オーダーにかかりました。
染め見本では濃い栗色でも、実際にどうなるかはわからない。思えばこのようなバクチを、よくぞやったものです。そのくらい手をかけて大切に着ると、愛着もひとしおなのでしょう。
そうして洗い張りをお願いしたのは春頃。。。夏には色掛けが済んで、最近仕立て上がってきました。
気の長い話です。でも、こういうのも、着物に手をかける楽しみってやつかもしれません。

友人★の家の蛍光灯の下で広げたので、外光とはずいぶん違います。
なので、実際の見え方はまた、違って見えるのでしょう。
ツルバミ色っぽいような、チャコールグレイのような、暗い焦げ茶がかった色目の底に、青みのあるピンク色が感じられるような。。。なんとも微妙な色になりました。
わたくしのコンデジでは、表現しにくい。
それにしてもおもしろい色になりましたよ。
実は友人★は、今月行われるお茶事でこの色無地をデビューさせようと考えていたのですが。。。やめました
。
その理由は。。。
「何だかすごーいベテランみたいじゃないですか?困りますわ」
「上手いこと言うなーーーっベテランっ」
「わかってくださいます?今のアタクシにはちょっと早過ぎるような気がするんですわ。いや、アタクシはこのように充分オトナなんですけど、ホラ、お手前がね、オトナじゃないので」
このニュアンス、この微妙な気持ち、もう膝打っちゃいましたわ
。

っつー訳で、せっかくの仕立て上がりですが、お茶事での出番はまだ先になりそうです。
その前にちょっと軽い帯で、おされしてお出掛けすればいいんぢゃね?
冬にぴったんこの、雰囲気ある色目ですよ。画像では全然伝えきれない感があるのですが。
友人★に、肌の白さが映えてとてもよく似合いました。洋服っぽい色です。
に、しても。。。プラスチックピンクに濃い栗色を足してこうなる。。。わたくし自身、まったくの色の素人ではありませんが。。。印刷データやテレビや映画用画像データとはまるで別モノでございます。
色掛けっつーのは、確かに、大バクチなのですね。想像もできませんでした。
これははっきり言って相当上級者向け。
どなたにもお勧めできることではありません。
でも友人★にとってお気に入りの地紋は、前よりもずっとくっきりしたので、当初の目的は充分果たしたと言えるでしょう。そしてわたくしのネタになってくれて、どうもありがとう
そのうち着姿を紹介できればいいと思っております。
いつも読んでいただいてありがとうございます。


https://fashion.blogmura.com/kimono/

袋帯を乗せてみた。
生成り色の唐織。
あ、画像では着物が黒くなっちゃった

東雲色とピンクベージュと金色の籠目の袋帯。
あ、やっぱり画像では黒くなっちゃうなあ
写真に撮るのが難しいです。
追加
ウチの優秀な愛機ステルスタンタン(敬称略)が過去記事を探してくれました。
友人★の、色掛け前の色無地画像は
こちら。これは少し前のコンデジで撮ったもので、実際の色目よりも少しサーモンピンクがかった色に写っています。やっぱり着物の色目を出すのは難しいねえ。






台風は昼頃通り過ぎました@首都圏。
友人★には、とーってもお気に入りの色無地がありました。
若くて活きのいいときにリサイクルで購入したブツですが(当時7000円くらいだった)。。。お茶を習い始め、お茶事でたくさん着て、充分元は取ったと言い切れる着物です。
色目はプラスチックピンク。
そう、プラスチック製品などでよくある、光沢のないマットな感じの真っピンクでしたわ。
わたくしは今まで、着物屋さんで実際に、あのような真っピンクを見たことがございません。
ピンク色の色無地はよくありますが、普通はもっとニュアンスがある、っつーか若干くすませたものが多いので、この色無地は実は、ありそうでない、割と珍しい色目だったと思います。
地紋は菊唐草で、生地も重くて良いものでした。

ここで、画像をお見せしたいところですが、探しても探しても、この色無地の画像が見つからないのよ、奥さん。
どうやらわたくしは、肝心の色無地の元画像を残していなかったらしいの

抜かりありだわ。



フォトショップで色を作ると、こんな感じ。
モニターによって見え方は若干違うと思いますけれど、ガイドにしてください。口紅などで言うなら、若干青みと白みのあるピンク色が近いか。っつーか余計わかんないか。
で。。。ふと秋風が吹くお年頃になって、そろそろこの色目がキビシく感じられた友人★は、さんざん考えて、色掛けすることにしたのでした。
色掛けとは。。。元の色はそのまま、その上から新たに染料で染めることですわ。昔むかーし、着物が比較的よく着られた時代には、若いときの色や薄い色に新たに色を掛けて、雰囲気を変えたそうですが。。。正絹の着物地が今よりもずーっと高価で貴重だったから、なのでしょう。そのように聞きました。
元の着物を洗い張りして色を掛けて、仕立て直すと、安い色無地なら新しいのが買えるくらいのお値段になります。今回は約3万円くらい(正確なお値段覚えてない)でした。
新しいのに買い替えても良かったのに、敢えて色掛けしたのは、若いときからのお気に入りのこの色無地の、地紋がとーっても気に入っていたからです。色無地の地紋は案外大切なもので、かなり目立ちます。友人★はお茶事で着ることが多く、お茶事では大勢の社中さんたちと並ぶので、地紋の違いが着物の違い。やっぱりそこにはこだわりたかったのでした。
さてそうなると、このプラスチックピンクに、どんな色を掛けるかが大問題です。
着物問屋さんで、小さな色見本を元に考えるのですが、それ以前に、友人★にはどんな色がいいか、どんな色ならこの先ずっと着られるか、アタマを悩ませましたわ。
当初は一番左、少し明るめの焦げ茶がいいのでは。。。と思えました。
肌に合わせて見ると、一番右くらいの焦げ茶の方がしっくりきそうでした。
染め見本で探すと、真ん中くらいの色がありました。
ただ、白生地に染めるのではないので、元のプラスチックピンクがどのように影響するのか予測できません。これが、色掛けの難しいところです。薄い色目だと、地の色の影響が大きいらしいのです。
なので、色掛けは、薄い色目から濃い色目にするのが一般的です。
元の地色がピンク系なので、仮に上に乗せる色がブルー系ならば紫色が感じられそうだし、仮に上に乗せる色がグリーン系だと補色に近くなるので緑色がはっきりしないかもしれない。。。などなど、担当さんともいろいろ話し合い、振れ幅が思った以上に大きいらしいのを覚悟して、オーダーにかかりました。
染め見本では濃い栗色でも、実際にどうなるかはわからない。思えばこのようなバクチを、よくぞやったものです。そのくらい手をかけて大切に着ると、愛着もひとしおなのでしょう。
そうして洗い張りをお願いしたのは春頃。。。夏には色掛けが済んで、最近仕立て上がってきました。
気の長い話です。でも、こういうのも、着物に手をかける楽しみってやつかもしれません。

友人★の家の蛍光灯の下で広げたので、外光とはずいぶん違います。
なので、実際の見え方はまた、違って見えるのでしょう。
ツルバミ色っぽいような、チャコールグレイのような、暗い焦げ茶がかった色目の底に、青みのあるピンク色が感じられるような。。。なんとも微妙な色になりました。
わたくしのコンデジでは、表現しにくい。
それにしてもおもしろい色になりましたよ。
実は友人★は、今月行われるお茶事でこの色無地をデビューさせようと考えていたのですが。。。やめました

。
その理由は。。。
「何だかすごーいベテランみたいじゃないですか?困りますわ」
「上手いこと言うなーーーっベテランっ」
「わかってくださいます?今のアタクシにはちょっと早過ぎるような気がするんですわ。いや、アタクシはこのように充分オトナなんですけど、ホラ、お手前がね、オトナじゃないので」
このニュアンス、この微妙な気持ち、もう膝打っちゃいましたわ

。

っつー訳で、せっかくの仕立て上がりですが、お茶事での出番はまだ先になりそうです。
その前にちょっと軽い帯で、おされしてお出掛けすればいいんぢゃね?
冬にぴったんこの、雰囲気ある色目ですよ。画像では全然伝えきれない感があるのですが。
友人★に、肌の白さが映えてとてもよく似合いました。洋服っぽい色です。
に、しても。。。プラスチックピンクに濃い栗色を足してこうなる。。。わたくし自身、まったくの色の素人ではありませんが。。。印刷データやテレビや映画用画像データとはまるで別モノでございます。
色掛けっつーのは、確かに、大バクチなのですね。想像もできませんでした。
これははっきり言って相当上級者向け。
どなたにもお勧めできることではありません。
でも友人★にとってお気に入りの地紋は、前よりもずっとくっきりしたので、当初の目的は充分果たしたと言えるでしょう。そしてわたくしのネタになってくれて、どうもありがとう

そのうち着姿を紹介できればいいと思っております。
いつも読んでいただいてありがとうございます。


https://fashion.blogmura.com/kimono/

袋帯を乗せてみた。
生成り色の唐織。
あ、画像では着物が黒くなっちゃった


東雲色とピンクベージュと金色の籠目の袋帯。
あ、やっぱり画像では黒くなっちゃうなあ

写真に撮るのが難しいです。
追加

ウチの優秀な愛機ステルスタンタン(敬称略)が過去記事を探してくれました。
友人★の、色掛け前の色無地画像は

こちら。これは少し前のコンデジで撮ったもので、実際の色目よりも少しサーモンピンクがかった色に写っています。やっぱり着物の色目を出すのは難しいねえ。
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- [ざっくりと着物の話2010~2014]
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ほらあった↓これですよね?
http://blogs.yahoo.co.jp/maobiro/archive/2012/03/16